食という文化的知財の世界展開
海外進出を行う際に気をつけたいポイントは複数ある。一番重要なのは進出先の国の政治が安定しているか否かである。せっかく多額の投資を行っても軍事クーデターなどが発生してしまうとすべてが元の木阿弥になる。たとえ保険をかけていたとしても保険で事業機会は回収することは出来ない。まずは事業を安定して行える政治・経済環境かを見定める必要性がある。しかもロシアとウクライナの問題から見ると地政学的なアプローチも必要になる。当該国だけではなく周辺の地域の状況も加味する必要が出てくる。
次に注視したいのが人について。当該の国の人口動態がこの後10年そして20年どうなっていくのか予測が出ているそのあたりを見ることでマーケットがどう成長していくのか想定することがある程度可能になる。日本の人口は少子高齢化が止まらない状況にあるが、ASEAN各国はまだまだ人口が成長を続けている。これからまだマーケットは拡大していくことが容易に想像できる。ASEANの場合は前述の政治的な環境をどう考えるかが重要になってはくるのですが・・・。例えばミャンマー。まだまだ成長が予測されたし、労働力も豊かだったので日本企業がこぞって投資しましたが軍事政権の独裁化により行った投資を回収できなくなった企業も多い状況です。
ではASEANではなく北米はどうか?とりわけアメリカはまだ人口が増加している状況にはありますが実は子供人数は減少傾向にはいっています。人口成長率も鈍化しており第二次世界大戦前から大戦中の人口成長率になってきています。白人および黒人の人口比率が減少し、ヒスパニック・ラテン系およびアジア系の人口比率がじりじりと増加していっています。これまでの強かったアメリカから成熟した社会を形成していくアメリカになっていくことでしょうし、南米・中南米からの移民コミュニティの力がますます増していきます。このことから消費もヒスパニック・ラテン系にも支持されるテイストの商品が必要になっていきます。
今回アメリカに株式会社串カツ田中ホールディングスが新業態TANAKAをオレゴン州ポートランドにOPENさせるとのこと。寿司、ラーメンについで日本のカツサンドという食文化をアメリカに持ち込み広めたいという意思を持っての進出です。そのメニューをFCで全米展開していくという考えとのこと。カツサンド・メンチカツサンド・自家製パン・ホットケーキなどを販売していくとのこと。食文化の輸出は日本の知財ビジネスのひとつ今後の重要な戦略になっていきそうな分野でもあります。アメリカで是非成功して、同社に続いて食文化をアメリカに持っていきたいという会社が生まれてくれればと思いました。
以下、株式会社串カツ田中ホールディングスのプレスリリースより画像と店舗概要を引用。
店舗概要
【店舗名】 TANAKA
【所在地】 678 SW 12th , Portland, Oregon 97205 USA
【電話番号】 (503) 914-3326
【営業時間】 全日 8:00~20:00
【席数/坪数】 店内54席、店外36席/126坪
【客単価】
店内:$22
テイクアウト:$25
【売上目標】
$3.6 million / 年【定休日】 ほぼ無休