韓国食品スーパー「Yesmart」日野に都内初の直営店──ナックが多角化戦略の一環として展開強化
韓国食品スーパー「Yesmart(イエスマート)」が、東京都日野市の商業施設「スーパー三和 旭が丘店」2階に新店舗をオープンした。運営は東証プライム上場の株式会社ナック(本社:東京都新宿区)。同社が手がけるグループ直営店舗としては都内初の出店となる。
Yesmartは韓国から直輸入した生鮮食品や冷凍食品、調味料、酒類などを中心に、雑貨やコスメ、韓流グッズまでを取りそろえる専門業態である。店舗内ではK-POP映像が流れ、文具ブランド「ユラユラゲルペン」やライフスタイルブランド「wiggle wiggle」などのコーナーを併設。販売だけでなく“見る・選ぶ・撮る・楽しむ”という体験価値を重視した構成が特徴だ。これまでロードサイド型が中心だった同業態は、今回初めて商業施設内への出店に踏み切った。
背景には、国内で拡大を続ける韓国食品市場の存在がある。韓流ドラマやK-POP人気を契機に、韓国食材や調味料の売上は近年堅調に伸びており、2023年度の関連市場規模は約290億円規模に達したとされる。冷凍食品や即席麺、マッコリなどの嗜好性商品が定着しつつあり、若年層やファミリー層を中心に需要が拡大している。こうした文化的背景を活かし、食品と雑貨を横断する体験型リテールとしての成長が期待されている。
運営会社のナックは1971年創業。ダスキン事業を起点に「クリクラ」ブランドの宅配水、建築コンサルティング、住宅、美容・健康事業などを展開してきた。暮らしと住まいを軸とする同社が、韓国食品スーパーという物販分野に進出したのは事業多角化の一環である。2024年末にはYesmartの商標権を保有する株式会社コンビボックスを子会社化し、ブランド運営体制を強化。東北や北関東での出店を経て、今回の都内進出に至った。
今後は直営だけでなく加盟店展開も視野に入れ、全国規模での出店を計画しているという。ナックが培ってきた流通・サービスネットワークを活用しながら、生活関連事業に新たな収益源を確立する動きは、商業施設における専門カテゴリーの多様化にも影響を与えそうだ。ロードサイドからモールインへ――Yesmartの新たな展開は、韓国食品市場の拡大とともに、地域商業施設の構成バランスにも一石を投じる存在となるだろう。以下、同社のプレスリリースから画像と店舗概要を引用。
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Yesmart日野店 店舗情報
店名:Yesmart日野店
住所:東京都日野市旭が丘6丁目7-5 スーパー三和 旭が丘店 2階
電話番号:042-843-2218
営業時間:10時~20時
定休日:なし
駐車場:あり(詳しくは商業施設のHPをご確認ください)