関内駅前に屋上BBQ BASEGATE横浜関内が狙うのは“観戦客向け”ではなく滞在時間の回収
株式会社デジキューは、2026年3月19日に開業する「BASEGATE横浜関内」内「THE LIVE Supported by 大和地所」の屋上3階テラスに、時間貸し制BBQ施設「THE BBQ BEACH THE LIVE」を開業する。持ち込み自由、団体・貸切対応、3部制営業を特徴とし、横浜DeNAベイスターズとのコラボメニュー展開も予定している。総席数は56席で、JR関内駅から徒歩1分の立地だ。
今回の出店は、単なるBBQ施設の新設として見るより、関内という街の使われ方を変えようとする動きとして捉えたほうがよい。関内は、横浜スタジアムを抱える集客地である一方、旧来は行政・業務機能の集積地としての性格も強かった。さらに駅周辺では、旧市庁舎移転後の空洞化リスクを背景に、横浜市が「国際的な産学連携」「観光・集客」をテーマに再開発を進めている。関内駅前の再整備は、オフィス街でも観光地でもあるこの街を、単なる通過点ではなく、人を滞在させる拠点へ転換する流れの中にある。
その文脈で見ると、BASEGATE横浜関内そのものが象徴的だ。施設は旧横浜市庁舎街区の活用を含む複合開発で、横浜DeNAベイスターズが手がける常設型ライブビューイングアリーナ「THE LIVE」、DeNAの没入型体験施設「ワンダリア横浜」、ホテル、商業などを一体で組み合わせる構成になっている。つまりこの街区は、買い物だけを目的に来る施設ではなく、観る、食べる、泊まる、遊ぶを束ねて長く滞在させる設計に寄っている。屋上BBQの導入は、その考え方を屋外まで延長する動きといえる。
関内の立地特性を考えると、この業態との相性は悪くない。JR東日本の2024年度データでは、関内駅の1日平均乗車人員は53,011人だった。横浜市の統計でも、令和5年度のJR関内駅は50,477人、市営地下鉄関内駅は20,037人で、関内は中区内でも主要な結節点のひとつになっている。加えて、横浜DeNAベイスターズの2024年主催試合入場者数は235万8,312人に達した。日常の通勤・通学・業務需要と、試合日やイベント日の目的来街需要が重なる駅前だからこそ、試合前の集合、試合後の打ち上げ、企業懇親会といった複数の時間帯需要を一つの業態で受け止めやすい。
重要なのは、関内ではこれまで来街需要があっても、その時間消費を駅前で十分に受け止めきれていなかったことだ。横浜スタジアムに向かう人、中華街や山下公園方面へ流れる観光客、周辺オフィスワーカーは多いが、駅前で長く滞在する理由は限られていた。横浜市が歩行者動線の整備や回遊性向上を明確に掲げているのも、その弱点を補うためだ。屋上BBQは売上効率の高い業態ではないが、グループ滞在を前提にした時間消費型の機能としては分かりやすい。関内駅前に必要だったのは、瞬間的な通行量を取る店よりも、周辺に流れていた時間を街区内に引き留める装置だった。
デジキューは、商業施設、公園、スタジアム、リゾート施設などで都市型BBQの企画・プロデュースを手がけてきた企業で、今回も飲食区画の運営にとどまらず、「場づくり」「体験設計」「集客導線設計」までを含めたノウハウを打ち出している。関内駅前再開発においてこの出店が持つ意味は、BBQを食べる場所を増やしたことではない。観戦、観光、業務、懇親会という別々の来街目的のあいだにある時間を、街区内の滞在へ変換する機能を一つ差し込んだことにある。BASEGATE横浜関内が今後評価されるかどうかは、話題性よりも、この“前後の時間”をどこまで街に取り戻せるかにかかっている。株式会社デジキューのプレスリリースから画像と店舗概要を引用。
■ 施設概要
施設名:THE BBQ BEACH THE LIVE
所在地:神奈川県横浜市中区港町1丁目1番1 THE LIVE
アクセス:JR関内駅 徒歩1分
総席数:56席(2名様より予約可能)
利用形態:時間貸し制BBQスペース
特徴:持ち込み自由/飲み放題追加可能/団体・貸切利用可プロデュース:株式会社デジキュー
運営:株式会社タイシステム




