錦糸町白樺テルミナで新業態展開
和菓子の文化には近代から現代にかけて2つの波があったように思われます。1つは明治時代。もう一つは第二次世界大戦直後。明治時代に入り東京では多くのあんこをつかった和菓子屋が誕生しました。現在でも残っていて人気なのが銀座の空也。明治17年に時宗の踊り念仏衆徒であった創業者が踊り念仏仲間から力を借りて創業したことで、踊り念仏をはじめたとされる平安時代の中期の僧・空也上人の名前を拝借し店舗名を空也にしたとか。元々は上野池之端で創業したが、戦災のために昭和24年に銀座に移転し、銀座空也という名前で著名になっていった。
明治時代になぜアンコを使った店舗が増えたのかというと、明治になり日本が近代化を進める中で、洋菓子文化が流入したことが一つの要因とも考えられます。このことにより、日本の伝統的な和菓子の需要が落ち込み、和菓子職人たちは、より手軽に食べられるあんこを使った和菓子を開発することで、需要の回復を図ったと考えられます。同時に物流が飛躍的に進歩し大豆が入手しやすくなったことも一つの要因と考えられます。他方で第二次世界大戦直後の混乱期にもあんこを使った和菓子が身近な食べ物として需要が高まりました。食糧不足が深刻な時期であったため、砂糖や小麦粉が手に入りにくかったため、あんこを使った和菓子が身近で手軽な食べ物として求められたと考えられます。
それらの理由から明治時代と第二次世界大戦直後にあんこを使った和菓子屋が増加していきました。今回ご紹介する錦糸町の白樺も第二次世界大戦後の昭和25年に創業したとのこと。錦糸町白樺の創業者が北海道出身ということで、雪の中でも健やかにまっすぐ伸びる白樺の樹のような店にしたいという思いで店舗名を白樺にしたとのこと。白樺は良質で安全な原材料を使用することを心がけており、つぶあんは北海道産の小豆を100%使用、大福などに使うもち米は宮城県産のものを使っているとのこと。そんな商品にこだわりを持つ白樺のJR錦糸町駅南口の駅ビル「テルミナ」の店舗が、B1テルマルシェにリニューアルオープン。
これまでの和菓子販売のみのスタイルからイートインスペースとなる甘味処を開設。甘味処では和パフェや地元珈琲店とのコラボレーションによるお飲み物をゆっくりと楽しめるスペースとなっているとのこと。創業から約80年、100年を目指して新たな挑戦がテルミナB1で始まったようだ。今後の白樺の展開に期待したい。以下、株式会社錦糸町ステーションビルのプレスリリースから画像と店舗概要を引用。
店舗概要
■場 所 テルミナB1テルマルシェ
■営業時間 10:00~21:00(甘味処は18:00まで)
■営業種目 和菓子/甘味処