都市型生活圏に新たな拠点、「ららテラス北綾瀬」開業へ──中規模商業施設の進化形として地域とつながる空間を創出
東京メトロ千代田線・北綾瀬駅に直結する「三井ショッピングパーク ららテラス北綾瀬」が、2025年6月24日にグランドオープンする。運営は三井不動産。延床約31,800㎡、全51店舗が出店する中規模複合商業施設で、綾瀬エリアとしては初となる大型フードコートも備える。地域密着と都市型の利便性を両立させた新しい“生活導線拠点”として、今後の都市近郊開発のモデルケースとして注目される。
本施設は北綾瀬駅北改札に直結するペデストリアンデッキにより、雨天でも快適なアクセスが可能。足立区が整備する駅前交通広場との連携によって、交通結節点と商業施設とのシームレスな接続が実現している。この立地特性を生かし、地域の生活者のみならず、通勤・通学者にとっても日常的な“使いやすさ”が意識された設計が特徴だ。
「暮らし 綾なす」をコンセプトに掲げる同施設では、スーパーマーケット、ファッション、雑貨、飲食、サービスなど幅広い業態が集積。生活圏に根差したデイリーニーズ対応型のラインナップと、東京都初・足立区初出店を含む話題性の高いブランドを組み合わせた構成が採られている。なかでも注目を集めているのは、約500席を誇る大型フードコートだ。「松戸富田製麺」「山下本気うどん」「大阪王将」「マクドナルド」「韓ポチャ」など、ファミリー層から単身者まで幅広く支持される全10店舗が集積し、従来の“食の集客装置”という枠を超えた都市型のサードプレイスとして機能する空間となる見込みだ。
北綾瀬エリアは、UR都市機構の「東和団地」などが位置し、中層集合住宅が広がるエリアである一方、近年は新築分譲や再開発により若年ファミリー層の流入が進んでいる。こうしたエリア特性に対応すべく、本施設は親子三世代での利用を意識した構成となっており、ソファ席やキッズスペースの設置など、滞在型の空間設計が際立つ。
また、環境配慮の視点でも先進的な取り組みがなされている。施設はZEB Oriented認証およびDBJ Green Building認証(★4)を取得。屋上には太陽光パネルを設置し、年間約80,000kWhを創出。歩道および屋上緑化(約960㎡)を通じて、都市のヒートアイランド対策にも貢献する。EV充電器には再生可能エネルギー由来の「グリーン充電」が採用され、脱炭素型ショッピングモールの一端を担う。
さらに、施設従業員向けには「はたLuck」アプリを導入し、情報共有・連絡をリアルタイムで行える環境を整備。フリーWi-Fiや充電コンセント、歯磨き台を備えた従業員休憩室など、労働環境の質向上にも注力している。
三井不動産はこれまでにも「ららテラス南千住」「武蔵小杉」「TOKYO-BAY」「HARUMI FLAG」など都市型ライフスタイル施設を展開してきたが、北綾瀬のプロジェクトは“中規模”という領域における新たな指標となりうる。郊外型大型モールの集客性と、地域密着の生活拠点としての機能の“間”を丁寧に取りにいく設計思想が読み取れる。
今後、同様の都市近郊・鉄道延伸終端エリアにおいて、こうした中規模商業施設が果たす役割はますます大きくなるだろう。「ららテラス北綾瀬」は、まさにその先駆的なモデルといえる。三井不動産株式会社のプレスリリースから画像を引用。