都内最大規模の「ファッションセンターしまむら」西友大森店 生活動線型から旗艦拠点へ――大型リロケーションで示す“次の量販モデル”
株式会社しまむら(本社:埼玉県さいたま市)は、10月30日(木)に「ファッションセンターしまむら西友大森店」をリロケーションオープンする。所在地は東京都品川区南大井6丁目、西友大森店内2階。売場面積は約2,000㎡と、同社として都内最大規模の店舗となる。衣料・寝具・インテリアをフルラインで展開し、従来の1,000㎡クラス店舗を大きく上回る構成である。
しまむらは1953年に埼玉県小川町で呉服店として創業し、1972年に現社名へと改称。量販衣料のチェーン化を早くから進め、現在は全国47都道府県と台湾に約2,200店舗を展開している。郊外ロードサイドを中心に自社開発によるドミナント出店を推進し、近年は商業施設内・都市型ビルイン型への展開も拡大。出店形態別ではフリースタンディング型が約65%を占めるが、残る35%がショッピングセンターや駅前商業施設など、立地の多様化が進む。
同社の標準的な店舗は売場面積約1,000㎡とされ、総合衣料量販店としては中規模に位置する。これに対し、今回の西友大森店は通常店舗の約2倍にあたる2,000㎡。既存核店舗である西友と階層を共有しながら、広域商圏への対応と商品カテゴリー拡張を図るものとみられる。駅近立地と住宅集積エリアを背景に、衣料品に加えて寝具・インテリアを併設する“生活導線一体型”の構成が特徴だ。
しまむらは自社で商圏分析から開発・契約までを完結させる出店体制を持ち、立地選定の自由度が高い。今回のような都市型大型リロケーションは、既存施設の集客力を生かしながら旗艦化を図るケースとして注目される。標準店舗の倍規模という物理的優位に加え、品揃えの幅を広げることで商業施設全体の回遊性を高める効果が期待される。とりわけ大森駅周辺は、品川・大田両区をまたぐ住宅地・通勤動線を抱えるエリアであり、都心部と郊外型量販の双方の要素を兼ね備えた市場だ。
量販衣料業界では、近年ユニクロやワークマンなどカテゴリー特化型の大型店が相次ぐ中、しまむらは「生活密着型×低価格」を維持しながら店舗の多層化を進めている。標準店舗に加え、今回のような2,000㎡超級店舗を都市部に配置することで、地域密着と旗艦機能を両立する戦略といえる。郊外ロードサイドを主軸とする従来のモデルから、既存商業施設を活用した拠点型出店への転換は、同社の出店政策における新しい局面を示すものだ。
西友大森店での展開は、単なるリニューアルにとどまらず、都市生活圏における“量販の再定義”を体現する取り組みといえる。日常消費の中心にある商業施設内で、幅広いカテゴリーを一体的に体験できる場を整えることは、施設運営者にとっても魅力的なシナジーをもたらす。しまむらの“都内最大店舗”は、生活動線型リテールの進化を象徴する存在として注目される。以下、同社のプレスリリースから画像と店舗概要を引用。
●ファッションセンターしまむら西友大森店
営業時間:10:00~20:00
住所 :東京都品川区南大井6-27-25(西友大森店内2F)