選択肢としての増床
空床が目立つようになった商業施設では、すぐに次のテナントをいれなければいけないということでリーシングという手段を選びがちです。もちろん、プロパティオーナー側からの視点で見ると空床を減らし稼働を上げたいし、坪単価を上げていきたいという強い要望があります。そのためには早急に対処する必要が生まれ、それに反射的に対応しなければなりません。しかし、当該商業施設の魅力を一番わかっているのは既存出店テナント。
現在、その商業施設で確実に売上を上げている企業・事業者はその商業施設の魅力やポテンシャルを熟知しています。テナント側から見て追加投資すれば売上があがる可能性がある場合はもちろん追加投資を行うことが可能です。ですので、無闇矢鱈に新規テナントをリーシングする前に検討する必要があるのが既存テナントの増床の可能性を分析し、打診することです。これがしっかりとできる商業施設がマネジメントがしっかりできる商業施設と言えるでしょう。ここにも実は落とし穴があり、数字だけ見て増床の提案をしても意味があまりありません。既存テナントの他店の売上動向や出店戦略そして商品戦略を理解せずに提案してしまうとやぶ蛇になってしまう可能性もあります。そうならないために日頃から現場のテナント責任者の方や本部の責任者の方とこまめにやり取りをして情報を得ていることが大切になります。
そういったきめ細かい日々のオペレーションができているからこそ、増床の提案ができるわけですし、増床の提案を受け入れてもらえるということになります。ですので、テナントが増床を受け入れている商業施設は総じてオペレーションが優秀な商業施設とも言えます。今回はそんな増床を2店舗この春行うコクーンシティさいたまを運営する片倉工業株式会社のプレスリリースから増床のニュースをご紹介。今回はアディダスオリジナルスショップが増床移転、ローズマリーが増床となるとのこと。まさに既存でしっかりと顧客がついていて、売上もあるテナントだということが伺える2店舗。増床後の展開に期待です。以下、片倉工業株式会社のプレスリリースから画像と増床内容について引用。
■アディダス オリジナルスショップ <メンズ・レディス・キッズ・服飾雑貨> 【増床移転】
・OPEN:3/11(土)
・フロア:コクーン2・2階
adidas Originalsは、adidasの豊かなスポーツの伝統にインスピレーションを受け、2001年に設立されたストリートスポーツウェアブランド。
1972年に初めて使用されたアイコニックなトレフォイルロゴをシンボルマークに、クリエイティブな人々に支持されています。■ローズマリー <コスメティック> 【増床】
・OPEN:4/12(水)
・フロア:コクーン1・2階
ROSEMARYは “for a lifetime of beauty” をコンセプトに、コスメ専門店として韓国コスメからアルビオン化粧品まで、幅広い商品を取り揃えております。「なりたい自分」のメイク提案や、お客様に最適なお肌のケアまで、多様化した美しさをサポートするコスメ専門店です。