診断技術とIoTが織りなす、オーダーメイドファッションの新潮流
診断を使った商法がここ数年激化していっています。10年くらい前に骨格診断が一般社団法人ICBI 骨格診断アナリスト協会によって世の中に紹介されて以来、コーディネートに骨格診断という言葉を用いたアパレル企業が増加していきました。多方で最近ではパーソナルカラー診断がもてはやされ、その人が持つ元々の色味をベースに診断し、その人にあった化粧や洋服の色味を提案するなどというようなものも増加しています。
このパーソナルカラー診断によってもたらされた悲劇が診断を受けた人が、似合わないと呼ばれる色を買わなくなったこと。それによって最近ではニュートラルカラーと呼ばれるどちらでも使えるというカラーパレットなどが販売されている状況になっている。業界全体でパーソナルカラーをもてはやした功罪ともいえるだろうが、それによってシーズナルモチベーションの購買意欲を抑えてしまう結果となった。
この診断にもIoTの力は着実に影響を現在与えている。オーダーメイド関連でボディスキャナーを使って骨格診断を行い、その骨格に合うスーツのパターンを割り出し提案するというモデルが生まれている。今回はそんなボディデータ活用によりサービス開発を行う株式会社SYMBOLの取り組みについてご紹介。
新たな取り組みとして、オーダーメイドブランド『KASHIYAMA』がSYMBOL社の3Dボディスキャナー「BodyCaptureⅡ」をウィメンズオーダーメイドに導入します。これにより、従来1時間要していたオーダー作業が約30分と大幅に短縮され、顧客体験も飛躍的に向上する見込みです。新宿東口店と吉祥寺店でこの新サービスが2023年10月2日(月)から開始されるとのことです。
SYMBOL社が独自に開発した3D骨格診断を活用することで、体型に合わせた美しいスーツのデザインが提案されます。この3D骨格診断は、体型特徴を科学的に可視化、診断するウェブサービスとして提供されるもので、ボディスキャンデータから高度なパーソナライゼーションが可能になります。
この新サービスでは、0.8秒のボディスキャンだけで採寸が完了し、それを基にお客様に一番似合うスーツコーディネートの提案も行われます。従来の手法であるスタイルガイド(スタッフ)によるメジャーでの計測は一切不要となります。
『KASHIYAMA』は2017年10月からオーダーメイドスーツの販売を開始しており、“オーダーメイドの民主化”を目指しています。価格帯は33,000円(税込)からと手が届く範囲であり、この新サービスの導入はその目標を一層具現化するものと言えるでしょう。
このような革新的な取り組みは、商業施設やファッション業界におけるオーダーメイドサービスの提供方法に革新をもたらし、他のブランドや事業者にも多大な影響を与える可能性があります。以下、株式会社SYMBOLのプレスリリースから画像を引用。