自然と共生する施設誕生なるか?
ここ数年SDGsなどの浸透やCSRの浸透があり商業施設はエコブームでした。エコブームといっても大規模開発をしておきながら、その施設の一部にソーラーパネルを配置したり、ビオトープをつくったり、植栽をしたりと正直その施設が環境に与えている何百分の1、何十分の1程度の環境配慮しか実際にはしていなかったりしていました。今回は小田急電鉄株式会社が総力をあげて自然と寄り添う商業施設を開発するというリリースがでました。懸案であった向ヶ丘遊園跡地の本格再開発プランが提示されました。
コンセプトが「人と自然が回復しあう丘」で商業エリア、温浴施設エリア、自然体験エリアの3つのエリアから構成されており、豊かな生田緑地を環境インパクトを抑えた形での開発になりそうです。こういった自然の中で商業施設を回遊できる豊かな時間を提供する商業施設は今後も増えていく可能性はあるなとおもいました。今後の商業施設とエコの形を指し示す開発になるのではないかとおもいます。今後の展開に注目。以下、小田急電鉄株式会社のプレスリリースより抜粋。
向ヶ丘遊園跡地利用計画の概要を決定
「人と自然が回復しあう丘」を開発コンセプトに、2023年度の竣工を目指した計画が始動します
小田急電鉄株式会社(本社:東京都新宿区 社長:星野 晃司)では、2002年3月に閉園した向ヶ丘遊園の跡地(川崎市多摩区)利用に関する開発計画の概要について決定しました。
当社では、かつての向ヶ丘遊園から引き継がれる豊かな自然環境を活かして「人が集い楽しむ場」としての機能を再整備することで、生田緑地の一部として「憩い」や「賑わい」を創出し、地域全体の価値向上へ寄与することを目指しています。2004年11月に川崎市と締結した「向ヶ丘遊園跡地に関する基本合意書」も踏まえ、川崎市等の関係機関と協議しながら、これまで跡地利用計画の具体化を図ってまいりました。今般、始動する跡地利用計画では、「人と自然が回復しあう丘」を開発コンセプトに、跡地全体を「商業施設エリア」「温浴施設エリア」「自然体験エリア」の3つのゾーンに分け、身近なレジャーやちょっとした非日常を感じられる特別な空間や体験を創出します。あわせて、地域に新たな付加価値の提供を図るとともに、「自然、文化・芸術、教育」といった既に地域に存在する豊かな資産をつなぐハブ機能としての役割を果たします。
今後は、2023年度の竣工を目指し、計画の具体化を推進するとともに、近日中に川崎市の条例に基づく環境影響評価手続きに着手する予定です。
向ヶ丘遊園跡地利用計画の概要は次のとおりです。
記
1.所在地
神奈川県川崎市多摩区長尾2-8-1ほか2.開発区域面積
約162,700㎡3.工期(予定)
●2018年12月
環境影響評価方法書 提出
●2021年度
基盤整備工事 着手
●2022年度
建物建設工事 着手
●2023年度
竣工4.開発コンセプト
「人と自然が回復しあう丘」
小田急線開業とともに歩んできた特別な場所。かつて「花と緑の遊園地」として親しまれた自然豊かな丘は、今なお多くの人々の記憶に残るまちのシンボルとして賑わいをみせていました。遊園地の閉園によりまちから失われたこの場所を、「人と自然が回復しあう丘」という、新たなまちの中核として再生します。
この丘の「自然」を、地域や訪れる人々の手により守り育て、年月をかけながら豊かな生田緑地の一部にふさわしい姿へと成長(回復)させていく。同時に、自然に向き合い触れる非日常的な体験を楽しむ中で「人」も心と身体をリフレッシュ(回復)していく。この丘は、「人」と「自然」が互いの恩恵を受けながら持続的に共生していく「特別な場所」となり、新たな交流やつながりを生む「憩い」や「賑わい」の拠点として、地域や沿線の価値向上を実現していきます。5.計画エリアの概要
(1)商業施設エリア
・ゆとりある広場空間を設けるなど、買い物や飲食等をゆっくりとくつろぎながら楽しめるエリアとします。
・自然との親和性や雰囲気等も考慮した分棟型の建築様式を基本とし、現状の住宅地に不足する「ちょっとした非日常感」のある施設展開を図ることで、暮らしの豊かさやこの地域に住む愛着につながる新たな価値を提供します。
・生田緑地やその周辺に不足する飲食業態を中心とし、周辺施設をはじめとした地域資産を結ぶ「ハブ機能」を果たすとともに、計画地および生田緑地への来訪や滞在時間の拡大を目指します。(2)温浴施設エリア
・緑に囲まれた環境の中で、伝統的な温泉旅館を連想させる日本家屋様式の特徴ある温浴施設を展開するエリアとします。
・豊かな自然環境と都心までの眺望を併せ持つ露天風呂、都心周辺部では希少な貸切個室風呂や多様な機能を備えた規模感のある着衣サウナなどを幅広く展開します。目的性が高くゆっくり滞在でき、施設規模や機能面で全国有数の温浴施設を目指すことで、インバウンドも含めて高い集客力を持つ魅力ある施設とします。(3)自然体験エリア
・アウトドア系施設やグリーンショップ等、これまで生田緑地になかった新たな機能の導入により、計画地の豊かな自然を体験する中核となるエリアとします。
・都心に近く気軽に利用できるアウトドア系施設にはグランピングやキャンプ等の宿泊機能を計画するほか、事業者の企画力や施設運営力を活かして、他エリアとも連携した特徴のあるイベント等を実施し、憩いと楽しさの両立を目指します。