老舗繊維商社・宝本商事がアップサイクルリボン事業を拡大 商業施設でのサステナブル装飾需要に対応
創業77年を迎える宝本商事株式会社(京都市)は、製造過程で発生したデッドストックリボンをアップサイクルし、イベントや商業施設向けに装飾サービスを展開している。これまでアパレル資材の供給を主力としてきた同社が、環境配慮型の空間演出という新たな市場を開拓する動きである。
同社のリボン装飾は、マルシェや屋外フェスティバルから商業施設内のシーズンイベントまで幅広く対応可能で、短時間で設営できる利便性と華やかさを両立している。御堂筋イルミネーションや東京ミッドタウン八重洲でのクリスマス装飾、JO1の展覧会など、都市型の大規模イベントでも採用実績を重ねており、空間演出のサステナブル化を具体的に示す事例となっている。
商業施設においては、季節ごとの集客イベントや地域と連動した催事の重要性が高まるなか、環境負荷を抑えつつも来場者の体験価値を高める取り組みが注目されている。船場が松坂屋名古屋店で廃材を再利用した共用部リニューアルを実施した事例や、子ども向けワークショップで廃棄予定のレースや生地を使った「リカちゃんのアップサイクルアトリエ」の展開など、業界全体でもサステナブル素材を用いた空間づくりの試みが広がりつつある。宝本商事のリボン事業は、こうした潮流のなかで視覚的インパクトとストーリー性を備えた装飾手段として、商業施設のエコ施策やCSR活動と親和性が高い。
同社は現在、商業施設や百貨店、自治体、企業との協業パートナーを広く募集しており、2万種以上のリボン資材から選定可能な点や、来場者参加型のワークショップ展開にも対応できる点を強みに掲げる。空間演出力に加えて「循環型素材を使っている」という付加価値を提供できることは、施設側にとってもブランドイメージ強化につながる要素といえる。
サステナビリティを基軸とした商業施設運営が一層求められるなか、アップサイクルを軸にした装飾サービスは、イベント性と環境配慮の両立を目指す施設の新たな選択肢となりそうだ。以下、宝本商事株式会社のプレスリリースから画像を引用。