老舗百貨店・川徳が新たな挑戦、ECモール「USAGI ONLINE」のリアルショップを誘致
岩手県盛岡市に本社を置く株式会社川徳が、創業150年を超える歴史の中で新たな一歩を踏み出す。2024年10月4日、同社が運営する「パルクアベニューカワトク」の2階に、株式会社ウサギオンラインが展開するリアルショップ「USAGI ONLINE STORE 盛岡川徳店」がオープンする。
川徳は、岩手県内唯一の日本百貨店協会加盟店として、長年地域経済の中心的役割を担ってきた。しかし、近年の地方経済の停滞や大型商業施設の郊外進出により、業績回復が課題となっていた。そんな中で今回のUSAGI ONLINE STOREの誘致は、百貨店業界における新しい試みとして注目される。
USAGI ONLINEは、オンラインデパートメントストアとして知られ、SNIDEL、Mila Owen、LILY BROWNなど人気ブランドを多数取り扱う。今回の盛岡川徳店では、これらのブランドに加え、FRAY I.D、CELFORD、emmiなども展開予定だ。
オープンを記念し、10月4日から12日までの期間限定で「MA CARD FOR GO GREEN ポイントアップキャンペーン」を実施。会員ランクに関わらず一律でポイント還元率5%となる。また、1万円以上の購入者には限定トートバッグをプレゼントするなど、来店を促す施策も用意されている。
USAGI ONLINEの特徴は、ファッションだけでなく、コスメやワイン、スイーツなど、ライフスタイル全般をカバーする幅広い商品展開だ。さらに、サステナビリティにも注力しており、ショッパーには古紙配合率40%の紙材やボタニカルインクを使用するなど、環境への配慮も忘れていない。
この取り組みは、川徳にとって単なるテナント誘致以上の意味を持つ。ECモールのリアルショップを導入することで、オンラインとオフラインの融合を図り、新たな顧客層の開拓を目指す狙いがあると考えられる。特に、USAGI ONLINEが強みとする20代から30代の女性客の取り込みが期待される。
一方、USAGI ONLINEにとっても、歴史ある地方百貨店への出店は重要な意味を持つ。オンライン主体のブランドが、伝統的な商業施設で実店舗を展開することで、ブランド認知度の向上とともに、地域に根ざした商売の可能性を探ることができる。
この取り組みは、地方百貨店とECモールの相互補完的な関係構築の先駆けとなる可能性を秘めている。川徳の老舗としてのブランド力とUSAGI ONLINEの新しい感性が融合することで、地方商業の新たなモデルケースとなることが期待される。
商業施設業界は、この取り組みの成果を注視するだろう。成功すれば、他の地方百貨店でも同様の試みが広がる可能性がある。川徳とUSAGI ONLINEの挑戦が、地方商業の活性化と百貨店業界の未来に、どのような影響を与えるのか。その行方に、業界関係者の視線が集まっている。以下、株式会社マッシュホールディングスのプレスリリースから画像と店舗概要を引用。
店舗情報
USAGI ONLINE STORE 盛岡川徳店
オープン⽇:2024年10⽉4⽇(⾦)
所在地:〒020-8655 岩手県盛岡市菜園 1-10-1 盛岡川徳2F
電話番号:019-601-8883(営業⽇より開通)
営業時間:10:00〜19:00
取扱いブランド:SNIDEL、Mila Owen、LILY BROWN、FRAY I.D、CELFORD、emmi