神田川の景観と文化資源を取り込む都市型エキナカ JR御茶ノ水駅「エキュートエディション御茶ノ水」全面開業へ
JR御茶ノ水駅構内で進められてきたエキナカ商業施設「エキュートエディション御茶ノ水」が、2025年5月14日に全面開業を迎える。段階的に進められてきた施設整備の最終段として、今回は新たに7店舗が開業し、すでに開業済みの3店舗とあわせて合計10店舗が出揃う。
最大の特徴は、神田川沿いの立地を活かした空間づくりにある。施設2階には、神田川の眺望が望める「おちゃテラス」を新設。自然光が差し込む開放的なスペースに、都心でありながらリラックスできる中間領域が形成された。特に注目を集めるのが、店舗として初めてテラス席を備えた「猿田彦珈琲」の出店である。恵比寿発のスペシャルティコーヒー専門店が、眺望を活かした設えで展開されるのは今回が初の試みであり、エキナカ施設としての新たな価値を提示する存在となる。
5月14日に開業する店舗は計7店。カフェ、和食、雑貨、スイーツ、ドラッグストアなど幅広いジャンルが揃う。とんかつまい泉の定食・丼業態である「まい泉食堂」、発酵文化を軸とした新潟発の「FARM8 STAND」、ティーブランド「ゴンチャ」、ギャラリー機能を持つ雑貨ショップ「ケンエレブンシツ」、そしてウエルシアの調剤併設型ドラッグストアが新たに登場。いずれも御茶ノ水駅初出店となる。
これに先立ち、4月9日には1階部分にて「青山フラワーマーケット」「アトリエはるか」「ラフィネ」の3店舗が開業済み。駅利用者の日常に根差したサービスとして、花、ビューティー、リラクゼーションを担うテナントが揃っている。
施設コンセプトは「こころ、くらし、ととのう」。日々変化する気分に寄り添い、都会のなかで心地よさや余白を感じられるよう、空間・機能ともに“ちょうどいい日常”を支える設計がなされている。館内には、御茶ノ水エリアの魅力を発信するコミュニティスペース「おちゃのば」も設けられ、フリーペーパーやオリジナルの「まちあるきマップ」を通じて地域文化との連動も図られる。また、地域の風景や店舗をモチーフとした限定カプセルトイ「おちゃのばカプセル」も展開予定で、来街者に地域の魅力を持ち帰ってもらうための仕掛けも組み込まれている。
御茶ノ水駅周辺には、すでに「お茶の水サンクレール」や「御茶ノ水ソラシティ」、「ワテラスモール」などの複合施設が集積しており、オフィス、医療、教育、観光の要素が重なるエリア特性を背景に、日常利用と非日常体験が共存する商圏が形成されている。今回の「エキュートエディション御茶ノ水」全面開業は、駅の滞在機能を高めるだけでなく、周辺施設との相互補完によるエリア価値向上にも寄与することが期待される。
施設を運営する株式会社JR東日本クロスステーションでは、「Beyond Stations構想」のもとでエキナカ施設の滞在価値向上を進めており、地域との共生・共創を重視する姿勢を明確にしている。商業機能の充実と同時に、文化や自然を取り込んだ空間としての再定義を進める本プロジェクトは、都市型エキナカの新たなモデルケースといえる。株式会社JR東日本クロスステーションのプレスリリースから画像を引用。