物買う場所からの進化 2016年末商戦を考える
アメリカの年末商戦に関するニュースが先日ニューズウィークで報道されていました。結論から言うと前年比3.6%成長。客数でネット通販の客数が4.2増に対して、実店舗の顧客が3.7%減少。ネット通販に顧客がシフトしたことが鮮明になった年のようでした。それを裏付けるかのようにamazonが先日2016年の年末商戦で世界で10億個以上の商品を配送したと発表しました。買い物に関する消費者行動が大きく変わった年だといえると思われます。
購買はネット。ネットで買えないものが無くなった今、ショッピングセンターでは何をするべきかなのでしょうか?人がモノを買う時は2005年に電通が商標登録した消費者行動であるAISASが今の一般的な消費者行動を表していると思われます。AISASは下記の順番で消費者は行動するというものです。
Attention(注意)
Interest(関心)
Search(検索)
Action(購買)
Share(情報共有)
ここで大切なのはShare。SNSで情報を共有するところです。購入した商品を共有するとされていますが、お店での体験をシェアさせる仕組みを持つことで商業施設は生き残る道が生まれます。買い物を体験としてAISASの枠組みに入らない戦略を取る必要があります。
それは「購入する体験」自体を売りにすることです。例えば、
- お店の内装
- 商業施設の雰囲気
- 商業施設に行かないと体験できないものを提供する
- お店の店員とのコミュケーションレベルを引き上げる
- お店に行かないと見られないもの、さわれないものをつくる
これは既に取り組んでいる店舗も多くなっています。子供の遊び場MDなどはこれに入ります。そこに行かないと体験できない遊びを提供することで商業施設に多くのファミリー層を集客しています。これからは子供向けのアミューズメント関連だけでなくアパレルや飲食店でも広まっていくのではないかと思います。2017年商業施設はお買い物をする場所ではなく
- 快適な空間で時間を過ごす
- そこでしか出来ない体験をする
- モノや人と出会う
というパラダイムシフトをしなければならない年なのではないかと思います。