無人古着業態が郊外ロードサイドへ──STOPY、最大規模店舗を東大阪に出店
関西を中心に無人型古着業態を展開する「STOPY(ストッピー)」が、2025年7月18日、東大阪市下六万寺町に「STOPY 外環東大阪店」をオープンした。株式会社JAM TRADINGが運営する同ブランドにおいて7店舗目となる本店舗は、総売場面積60坪を誇る2階建てで、常時約8,000点の古着を取り揃える過去最大規模の出店となる。
STOPYは2023年10月の1号店開業以来、24時間営業・セルフレジ・無人運営という仕組みを核に、大阪市内を中心に都市部での出店を重ねてきた。今回の出店が注目されるのは、初のロードサイド型立地であり、ブランドとしても初めて駐車場を併設した郊外対応型の業態転換に挑んでいる点にある。店舗は大阪外環状線沿いという交通利便性の高い立地に構えられ、車での来店を前提とした設計となっている。
Z世代を中心に広がる古着人気の背景には、いくつかの明確な消費傾向がある。第一に、持続可能な消費への関心の高まりだ。サステナブル志向の強い若年層にとって、古着は“環境に優しい選択肢”であり、単なる再利用を超えて自己表現の手段ともなっている。第二に、量産品では得られない「個性」や「一点もの」へのこだわりが、古着の価値を再評価させている。加えて、対人ストレスの少ない購買体験を志向する傾向も強く、「誰にも話しかけられず、自分のペースで選べる空間」としてのSTOPYの無人店舗は、これらのニーズと強く共鳴している。
さらに、同店は無人店舗業態におけるDX(デジタルトランスフォーメーション)の実装事例としても注目される。会計にはセルフレジを採用し、現金・クレジットカード・コード決済といったマルチペイメントに対応。スタッフを介さず、24時間365日利用できる環境は、購買機会の最大化と人的コストの最小化を両立するものである。接客の省略にとどまらず、デジタルによる顧客管理や商品補充オペレーションの最適化も進められており、JAM TRADINGが全ブランドに導入する共通ポイント・会員証制度とあわせて、OMO(オンラインとオフラインの統合)も強化されている。
商業施設における無人小売業態の展開は、都市型ポップアップやイベントテナントの枠を超え、ロードサイド型物販店舗としての成立性を示し始めている。とりわけ今回のようにZ世代を主顧客とする業態が、郊外エリアでの“新たな日常の立ち寄り先”として存在感を増す構図は、今後の商業開発においても見逃せない動きである。
STOPY 外環東大阪店は、地域住民の日常導線における回遊拠点でありながら、商業施設の枠組みにおけるDX戦略とサステナブル消費の潮流が交差する事例として、注視すべき新店といえる。以下、株式会社JAM TRADINGのプレスリリースから画像と店舗概要を引用。
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【2025年7月18日(金) GRAND OPEN!!】
■住所
〒579-8066
大阪府東大阪市下六万寺町3丁目7−18
■営業時間
24時間営業
■アクセス
近鉄奈良線 瓢箪山駅から徒歩19分
バス停 下六万寺三丁目から徒歩4分
※駐車場有