炭火焼き弁当専門「肉のヤマ牛」、イオンモールむさし村山に国内4店舗目を出店 中食需要の中核を担う存在へ
精肉から店舗内で手がける炭火焼きの焼肉弁当を主力とする「肉のヤマ牛」が、2025年4月27日、東京都武蔵村山市のイオンモールむさし村山に新たな店舗を開業する。同施設は西多摩地域最大級の商業集積地であり、これにより同ブランドは国内で22店舗体制となる。
「肉のヤマ牛」は、株式会社トリドールホールディングスが展開するテイクアウト専門ブランド。炭火仕上げの牛カルビ焼肉丼を中心に、店内で手仕込みされた惣菜などを提供する業態で、商店街の肉屋に通じる地域密着型の食の風景を再構築する姿勢を打ち出している。今回のイオンモールむさし村山出店は、ファミリー層の支持が厚い郊外型施設において、即食・中食ニーズを捉えた店舗形態として注目される。
同モールは2006年に開業し、延床面積15万㎡、180店舗以上を擁する大規模複合施設。改装を重ねながら競争力を維持しており、2019年には施設の約6割を刷新。来館者数は年間1,000万人規模に達する。鉄道駅からは離れているものの、広域商圏には約105万人が居住し、自動車による集客を前提とした設計がなされている。
このような商業環境に対して、「肉のヤマ牛」は、催事販売での実績を踏まえた常設店舗展開という戦略で臨んでおり、ショッピングモール内のテナントとして定着しつつある。特に注目されるのは、各店でブロック肉を精肉し、その場でカットする工程。炭火による仕上げと、野菜・香辛料を独自配合した「もみダレ」の活用により、冷めても香ばしさと旨みを保持できる焼肉弁当が実現されている。
また、唐揚げやコロッケなどの惣菜も一品から購入でき、調理のライブ感や揚げたて提供といった価値体験を重視する構成となっている。これにより、テイクアウトに求められる即食性に加え、専門性や出来たての鮮度という競争優位を持つ。中食市場が伸長を続けるなか、単なる弁当販売にとどまらず、嗅覚や視覚を通じた「食のエンタメ性」がブランドの魅力の中核を成す。
今回の出店地・武蔵村山市は、周辺に大型住宅団地が形成されているほか、隣接する立川市や東大和市などからの来訪も多く、施設の役割は単なる買物拠点にとどまらない。地域の生活インフラに近い存在としてのモールにおいて、日常使いに適した弁当・惣菜業態は、利便性と感動の両立を図る重要な構成要素となっている。
炭火焼き、店舗精肉、手仕込み惣菜など、プロセスの「見える化」と体験型の購買を軸とする「肉のヤマ牛」。今後もこうした業態が持つリアル店舗の強みが再評価されるなかで、郊外型商業施設におけるテイクアウト専門店の在り方に一石を投じる存在として、その動向に注目が集まる。以下、株式会社肉のヤマ牛のプレスリリースから画像と店舗概要を引用。
≪店舗概要≫
■店舗名 :肉のヤマ牛 イオンモールむさし村山店
■開店日時 :2025年4月27日(日)10:00
■営業時間 :10:00~21:00(予定) ラストオーダー20:30
※開店時間は施設と合わせての開店となります。
■所在地 :東京都武蔵村山市榎1-1-3 イオンモールむさし村山1階
■定休日 :施設休業に準ずる
■座席数 :なし