河口湖駅前に「enico. cafe&bar」移転オープン 観光地駅前カフェの全国的潮流に合流
山梨県富士河口湖町の河口湖駅前に「enico. cafe&bar Kawaguchiko」が2025年8月16日に移転開業した。運営は宿泊や飲食、アクティビティ事業を展開する株式会社Go on。同社は2013年の創業以来、地方創生と観光振興をテーマに地域と観光の接点づくりを進めており、今回の駅前立地への移転もその一環である。
新店舗は駅から徒歩2分の好立地に位置し、1階から2階、地下まで異なる雰囲気を備えた構成が特徴だ。1階は犬同伴可能なスペース、2階は開放的でグループ利用にも対応、地下は隠れ家的な雰囲気とし、多様なニーズに対応している。さらに9月には富士山を一望できる屋上テラスの開放も予定されており、観光客にとって“特別な滞在体験”を提供する設計となっている。
メニューはバリスタが最高峰エスプレッソマシンで淹れるコーヒーを中心に、山梨県産食材を活用したフードをラインアップ。特に外はサクサク、中はしっとりとしたオリジナルワッフルは看板商品であり、夏季には桃を使った限定スイーツフェアを実施するなど、地元農産物と観光需要を結びつける工夫も見られる。
こうした取り組みは全国の観光地駅前で広がる「体験価値型カフェ」の潮流と重なる。たとえば箱根湯本駅の「箱根カフェ」はロマンスカー待ちの観光客を取り込み、軽井沢駅のベーカリー&カフェはリゾート滞在型需要を創出している。さらに金沢駅では加賀野菜を使ったカフェが食文化を発信し、京都嵐山駅や伊勢市駅周辺でも地元特産を打ち出すカフェが観光動線に組み込まれている。いずれも「駅前 × 地域食材 × 体験価値」を軸に、観光客の滞在時間を延ばす役割を果たしている。
河口湖駅も、富士山観光や富士五湖観光の玄関口としてインバウンドを含む集客力が高まる一方、駅前での滞在拠点不足が課題とされてきた。今回の「enico.」の移転は、こうした市場ニーズに応える形であり、観光の起点・終点に“長く滞在できる場”を提供するものといえる。観光客にとっては利便性の高い立ち寄り先となり、地域にとっては回遊性を高める効果が期待される。
運営するGo onは、グランピング施設「enico. Mt.Fuji Resort & Glamping」などを通じて宿泊・飲食・体験を一体的に展開している。今回の駅前カフェの移転はその戦略を補完し、宿泊と観光動線を結ぶ結節点としての役割を担う。全国で進む観光地駅前カフェの潮流の中で、河口湖駅前に新たな“体験型拠点”が加わったことは、今後の地域商業と観光の連携を示す象徴的な動きといえるだろう。株式会社Go onのプレスリリースから画像と店舗概要を引用。
【新店舗概要】
店名:enico. cafe&bar Kawaguchiko
電話:070-3346-0825
住所:〒401-0301 山梨県南都留郡富士河口湖町船津3733-7
アクセス:富士急行線 河口湖駅より徒歩2分
営業時間:平日7:00〜17:00、土日:7:00〜19:00
定休日:無し
座席数:50席