江戸時代から現代へ: 新感覚いなり寿司専門店【KITAINARI】の誕生と、その歴史的背景
すでに多くの人が知っているメニューを大幅に刷新することで、新しい業態、新しいメニューというのは作ることが出来ます。今回は一般的に認知度の高い、「いなり寿司」を刷新して新店に挑戦するいなり寿司専門店KITAINARIのニュースをいなり寿司の歴史ととともにお届けします。
江戸時代末期に書かれた『守貞謾稿』に初登場したいなり寿司は、当時から安価で美味しく、庶民に愛される食べ物として人気を博しました。特に、嘉永5年(1852年)発行の「近江商買狂歌合」に描かれた振売(ふりうり)スタイルの商人の姿は、いなり寿司の歴史的な普及を示しています。
いなり寿司の名前の由来については、稲荷神社の主神「宇迦之御魂神(うかのみたまのかみ)」と狐の古名「けつ」が重なり「三狐神」と解され、そこから生まれた説が有力です。稲荷信仰と狐の関係は平安時代からあり、江戸時代には稲荷神が商売繁盛の神としてもてはやされました。
京都の「伏見稲荷大社」の由来については、奈良時代の「山城国風土記逸文伊奈利社条」に記された伊呂具秦公(いろぐのはたのきみ)の伝説が有名です。これが「稲荷」の名の由来とされています。
いなり寿司は現在、コンビニなどで手軽に購入可能な一般的な食べ物として親しまれています。新しい解釈を加えた店舗の登場は、既存のアイデアを活用しつつ、新たな話題を生み出す機会となっています。
そして、最新の展開として、2024年1月16日には、麻布十番に新感覚のいなり寿司専門店【KITAINARI】がオープンします。この店舗は、融通無碍(東京都港区麻布十番2-13-5 PARK麻布網代 1F)によって運営され、砂糖を使わず、甘酒と鰹出汁で煮込んだ健康的ないなり寿司を提供します。メニューは多様で、様々な肉そぼろや季節の野菜を使ったいなり寿司が楽しめます。
店舗のアートディレクションは、グラフィックアーティストのMIHO MURAKAMI氏が担当。新しい和食のイメージをロゴに反映し、視覚的にも楽しめる空間を創り出しています。
【KITAINARI】の誕生は、いなり寿司の長い歴史に新たな一ページを加えるものであり、今後の活躍に期待が寄せられます。【鮨 割烹 ゆうずうむげ】を運営する融通無碍のプレスリリースから画像と店舗概要を引用。
店舗概要
・店舗名:KITAINARI (きたいなり)
・所在地:〒106-0045 東京都港区麻布十番2-13-5 PARK麻布網代 1F
都営大江戸線・東京メトロ南北線「麻布十番駅」4番出口より徒歩5分
「鮨割烹 ゆうずうむげ」と同じ店舗となります・営業時間:11時半〜14時
※テイクアウト専門店です
※数量限定のため、売り切れ次第終了
※17時からは「鮨割烹 ゆうずうむげ」の通常オープンとなります