札幌ステラプレイス、AI警備システムを本格導入 – 行動認識AIで施設の安全性向上へ
商業施設における警備体制の高度化が進む中、AIを活用した次世代型警備システムの導入が本格化している。株式会社アジラは、札幌駅に直結する大規模複合商業施設「札幌ステラプレイス」において、独自開発のAI警備システム「AI Security asilla」の本格運用を開始した。
同システムは、アジラが独自に研究開発した行動認識AI技術を核として、施設内の人の動きを常時監視・分析する。具体的には、転倒や暴力行為などの異常行動を即時に検知し、警備員への通知を行うほか、施設内の人流データを分析することで効率的な動線管理を実現する。
札幌ステラプレイスでは、2024年6月までの実証実験期間中、既存の防犯カメラシステムと連携させた運用検証を実施。その結果、警備事案発生時の即時検知能力や、リアルタイムでの混雑状況把握において高い効果が確認された。これを受けて、施設全体のセキュリティレベル向上と、来館者の安全確保を目的とした本格導入が決定された。
システムの特徴として、特許取得済みの「違和感検知」機能により、通常とは異なる不審な行動を自動的に識別し、事件・事故の予兆を捉えることが可能。また、既存の防犯カメラをそのまま活用できる点も、導入時のコスト面で大きな利点となっている。1台のサーバーで最大50台のカメラ映像を同時処理できる処理能力を持ち、大規模商業施設での運用にも対応する。
セキュリティ面では、ローカルネットワーク内での完結型システムを採用し、外部への映像データ流出リスクを排除。また、取得する画像データから個人を特定可能な情報を除去する処理を行うなど、プライバシー保護にも配慮した設計となっている。
商業施設業界では、人手不足や警備業務の高度化への対応が課題となっているが、AI技術の活用により、警備員の負担軽減と同時にセキュリティレベルの向上を実現する取り組みが注目を集めている。今回の札幌ステラプレイスでの本格導入は、商業施設における警備DXの実践例として、業界内での関心を集めそうだ。以下、株式会社アジラのプレスリリースから画像を引用