書店の未来
図書販売も時代の流れによって形を大きく変えていくことで進化してきた業態です。もともと書店さんというと大きくても50坪前後で街の商店街にあって入り口には週刊誌、レジ前に新刊、その横に月刊誌がラックに入っていて壁面には参考書や辞典がおいてあるのがスタンダードでした。しかし、皆さん御存知の通りamazonの売上が拡大してからというもの図書販売の形は様変わりしていきました。
昔ながらの書店は未だに存在しているものの、昔ながらの書店は求められていなくなりつつもあります。時代の流れにいち早く反応して業態を大きく変化させていったのがバーンズアンドノーブル。米国の1965年創業の同店舗はほとんどすべての店舗でスターバックスのカフェを併設しています。バーンズアンドノーブルの行った大きな価値提供の変更はこれまでのように書店さんは本を買う、本を探すところから、時間を過ごす場所に変えていったことでした。
バーンズアンドノーブルではカフェだけではなく雑貨、スイーツ、おもちゃ、広大な店内に様々な商品を販売しています。こういった書店=本の販売から価値提供の軸を革新していったのが日本ではヴィレッジヴァンガード。雑貨、アパレル、CDなど書店でありながら最早雑貨のほうが多い商品構成になっています。書店に来ない顧客層まで巻き込みつつ、サブカルチャーテイスト溢れる店内は多くのファンを魅了しています。
他方で国内の書店で注目されてきたのがカルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社。同社が展開する蔦屋書店のFC加盟店側で新たな挑戦に取り組む企業も増加している。店内にシェアオフィスを設置したり、バーンズアンドノーブルよろしくカフェを併設したりしている。蔦屋書店に関してはバーンズアンドノーブルと同じ方向性に業態をシフトして展開している。
そのカルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社の加盟店の株式会社精文館書店が神戸市西区のエキソアレ西神中央に、TSUTAYA BOOKSTORE エキソアレ西神中央をOPEN。エキソアレ西神中央は、神戸市営地下鉄西神・山手線西神中央駅に隣接するために駅利用者の需要が見込める施設。毎日、“素敵な寄り道”をしたくなる駅前書店をコンセプトにエリア最大級の児童書の品揃えや、知育玩具、またバラエティに富んだ食雑貨を取り扱うとのこと。オリジナルカフェ「LE GARAGE(ル・ガラージュ)」と、無添加・手作りのおはぎが人気の「OHAGI3(おはぎさん)」のコラボカフェも併設。
このように時間を過ごす書店が取り上げられることも多いのですが、まだまだ気骨あふれる書店は街に多く存在しています。事業主自ら読んで、自らおすすめを書く、そんな硬派な書店もあり、時間を滞在という価値を提供する書店もあり、書店という業態に多様性が生まれることでより多くの人が書店に足を運ぶ機会が増えてくれればなあと思わされました。
以下、カルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社のプレスリリースより店舗概要と画像を引用。
TSUTAYA BOOKSTORE エキソアレ西神中央 店舗概要
所在地:神戸市西区糀台5丁目9-4 エキソアレ西神中央4階
電話番号:078-940-6053
営業時間:10:00-20:00(お食事ラストオーダー19時・お飲み物ラストオーダー19時30分)
店舗面積:410坪 / カフェ席数:100席