日本版CCRCの代表事例が!? | 商業施設ニュース
CCRCという概念をご存知でしょうか?CCRCはContinuing Care Retirement Community(コンティニューイング・ケア・リタイアメント・コミュニティ)の略で数十年前から米国で普及している健康な時から介護が必要な時まで継続的で包括的なケアを提供するコミュニティのことです。このコンセプトにビビッドに反応したのが安倍政権下の地方創生。地方創生の一つの目玉事業として一億総活躍社会という言葉があったのを覚えていらっしゃる方も多いかと思います。健康な壮年が働きやすい環境を作り上げるという意味でもCCRCというコンセプトに対して積極的に支持をしていたのが安倍政権。コロナが始まり地方創生なんて言葉が薄くなりつつありますが、コロナ禍だからこそ再注目されているコンセプトでもあります。
コロナ禍になり都心部からの移住というキーワードがここ数年ニュースに取り上げられることが増え、つい最近でも23区は転出超過になったとニュースで報道されていました。その転出先としてどこが適切なのか?若い方々であれば首都圏近郊の東京駅まで1時間半程度の都市に住まわれる方が増えている状況。壮年の方々はどうか?その壮年世代にしっくりくる転出先としてCCRCというものがあがってきます。CCRCは決して介護を受けるための施設ではなく、健康な方が働き手としてCCRCのコミュニティ運営に参加されていき、そこでコミュニティを形成し、最終的には介護を受けるようになってもそこで生活ができるという場所です。CCRCは地方行政が積極的に開発が行えるかというとそれもまた違い、民間主導でコミュニティ参加者が主導でCCRCを形成していくのが望ましいことからなかなか日本では進んでいきませんでした。今回はそんな状況下で大和ハウス工業株式会社がある地方と連携協定を締結したというニュースです。
前橋市は日赤跡地という広大な土地を保有しており、そこで日赤跡地生涯活躍のまちに関わる事業者団体「ココルンサークルまえばし」がCCRCの実現のために活動しておりましたが今回、大和ハウス工業株式会社とココルンサークルまえばしと前橋市の間でCCRCに関する連携協定を締結。すでにココルンサークルまえばしではコミュニティ醸成、認知症見守り、地域コミュニティスペース運営、健康維持プログラムなどの複数のプログラムを実施しており、株式会社良品計画や学校法人昌賢学園そして群馬のスーパーの株式会社フレッセイなどが参加し事業をスタートしています。今回大和ハウス工業株式会社はこのココルンシティまえばしに多世代型賃貸住宅を建設。株式会社フレッセイはスーパーマーケットフレッセイを、株式会社良品計画は無印良品を、ドラッグはマツキヨが出店を予定。健康増進として歯科とスポーツジムを建設予定。これらが22年4月上旬にOPEN予定となっている。それだけではなく住民のための夜間診療所や福祉作業所そして認定こども園も開業予定となっている。
まだ見たことがないCCRCが日本に、群馬に誕生しようとしている。この事業の成功次第で日本にCCRCが根付くかどうか?問われる事業になるのではないかと思われる。事業参画している前橋市、各事業者の本気が試される町の開発に注目です。以下、大和ハウス工業株式会社のプレスリリースより画像を引用。