日本の伝統工芸をアップサイクル
SDGsが声高らかにマスコミ叫ばれるようになってからリサイクルに注目が集まるようになっています。ひとえにリサイクルといってもいくつかの種類のリサイクルが存在しています。マテリアルリサイクル、機械部品などから素材を抜き出してリサイクルする方法で東京オリンピックのメダルなどで注目されたリサイクル方法の一つ。もとのものが使えなくなるのだけどその素材などを利用するリサイクルのことをダウンサイクルと総称します。他方でリサイクルする対象物を残しながら他の製品に変えていくことをアップサイクルと呼びます。アップサイクルの商品はここ10年程度色々なものが生まれては消えていっています。記憶に新しいのがトラックの幌をカバンにして一世風靡したFREITAG(フライターグ)やビニール傘のリサイクルしたカバンのプラスシティやタイヤのリサイクルをしたシールは製造販売する日本の株式会社モンドデザインなどかと思います。捨てられる運命にあったものにデザインを加えて新しい商品として生き返らせる手法は今の世の中にあった一つの製造方法です。
そんあアップサイクルの中でとりわけ注目され続けているのですがイマイチ跳ねないのが和装の素材を活かした商品。手の混んだ帯をクラッチバッグにアップサイクルを作り上げたり、着物をドレスに仕上げたりとこれまで様々な取り組みがなされてきましたがどれも伸び悩んできました。その理由は供給体制にあるからだとも言えます。着物小物や着物のアップサイクルを行おうとしてもどうしても生地に目が行くので同じものが欲しいとおもっても1点1点手作りで素材も1点しかないので在庫を多く持つことができません。なので代表的な商品をつくりあげることが出来なかったことで、うまく成長していくことができませんでした。今回はそれを覆すブランドが伊勢丹新宿でPOPUPショップで展開するとのこと。
京都に本社がある株式会社季縁は着物アップサイクルブランド「季縁-KIEN-」はこれまでのアップサイクルと異なり昭和50-60年代の留め袖を中心にデザイン性の高いパターンでより美しいドレス・ワンピースを製造販売しています。素材に目が行くこれまでのアップサイクルとはことなり、パターンの美しさで消費者の目を惹くことができる商品力があるブランド。日本の伝統工芸品をアップサイクルする難しさだった素材の美しさを保ちつつ、今の時代にあったデザイン性でより良い商品にすることができた好事例。KIENのアップサイクルが消費者にどう迎えいれられていくのか今後の展開に注目です。同時にKIENのように日本の伝統工芸のアップサイクルが良い形で発展していくことを期待しています。以下、店舗概要および画像を株式会社季縁のプレスリリースより引用。