新宿メトログループが歌舞伎町にインバウンド向け施設を開業へ
日本を訪れる外国人旅行者数は、2012年から急激に右肩上がりに増加していました。しかし、2019年にピークを迎えた後、2020年は新型コロナウイルスの影響で旅行者数が94%減となり、インバウンドビジネスは厳しい状況に追い込まれました。しかし、2022年10月の入国緩和以降、訪日外国人数は再び増加し始め、JTB総研によると、2023年2月には前年同月比で驚異的な8,724.1%成長を記録しています。都内を歩けば、外国人観光客の数の多さに驚かされます。以前はアジアからの旅行者が多かったですが、最近はヨーロッパからの旅行者が急増しています。
このような状況下で、インバウンド観光客向けの施設の需要が高まっています。かつては、アジア諸国の旅行者に人気があったのはドラッグストアだったとされますが、円安が進行したこともあり、今では百貨店や高級ブランドのショップが人気を集めています。観光客たちが訪れる人気スポットは、京都や鎌倉などの古都や、現代の東京を感じられる新宿、秋葉原、原宿などです。
こうした需要に応える形で、新宿メトログループの三信商事株式会社が、商業ビル「ハナミチ東京 歌舞伎町」を開業することが決まりました。施設は、歌舞伎町から日本文化を発信することを目的として、2023年8月に開業予定です。テナントも全て個性的で、多くのインバウンド観光客が楽しめるようなコンテンツを用意しています。
建物の地下1階は、新世代大衆演劇場「歌舞伎町劇場」となっています。山手線内で唯一の大衆劇場で、花道やセリなどの舞台設備に加え、7メートル×3メートルの大型LEDビジョンも設置されています。「気軽に楽しむ伝統芸能」をテーマに、大衆演劇以外のイベントも順次開催される予定です。
1階には「ハナミチカフェ」があり、観劇しながら軽食やドリンクを楽しむことができます。2階には、創業100年を迎える横浜の老舗呉服店「あさひや」が展開する和モダンをテーマとしたレンタル衣装の新業態「和レンタル衣装 きぬも」があります。また、純喫茶の名店として55年の歴史を持つ「珈琲西武本店」が、昭和モチーフのモダンな雰囲気のお店として移転オープンします。
3階は「食のHANAMICHI内藤新宿」で、江戸の食の四天王と言われる「すし」「天ぷら」「蕎麦」「うなぎ」に、「串焼き」と「甘味処」「酒処」を加えた7つの業態が揃っています。江戸時代をテーマにした雰囲気で、江戸の食文化を味わえる空間です。4階には、「食のHANAMICHIはなれ」があり、城内をイメージした豪華な内装で、上質な空間を提供しています。また、4階のルーフトップには、「BBQてらす御来光」があり、和をイメージしたテラスバーベキューエリアが設けられています。最大68名までの貸切利用も可能で、国産肉や食材を使ったバーベキューを楽しむことができます。
新宿は、都内でも屈指のインバウンドエリアであり、このような施設が開業することで、コロナ禍で逆風にさらされていた観光業界にとって、リベンジ需要を取り戻す機会となることが期待されています。新宿メトログループは、飲食店やレジャー施設を複合的に運営している企業であり、食、日本文化、エンターテインメントを組み合わせた施設を運営する力があります。この施設が今後のインバウンド観光客向け施設の指針となることが期待されます。
ハナミチ東京歌舞伎町は、歌舞伎町から日本文化を発信することを目的とした商業ビルであり、2023年8月に開業予定です。施設内には、大衆演劇場「歌舞伎町劇場」をはじめ、多彩なテナントが揃っています。この施設は、今後ますます増加することが予想されるインバウンド観光客の需要に応え、彼らに日本文化を楽しんでもらうことが期待されています。以下、新宿メトログループ三信商事株式会社のプレスリリースから施設概要と画像を引用。
<開業予定日>
2023年10月1日:B1F(歌舞伎町劇場)、1F(ハナミチカフェ)、2F(和レンタル衣装 きぬも、珈琲西武 本店)
2023年11月1日:3F(食のHANAMICHI内藤新宿)、4F(食のHANAMICHIはなれ、BBQてらす御来光)<施設概要>
ビル名 : HANAMICHI TOKYO KABUKICHO (ハナミチTOKYO歌舞伎町)
住所 : 東京都新宿区歌舞伎町1-6-12
竣工 : 2023年8月末予定
建築 : 新宿企業株式会社