新しい商業施設の形
ものからことへ。という言葉が長い間、商業施設の業界では囁かれていたマジックワードのような言葉でした。ここ10年位は地域連携・地域に根ざすというコンセプトが次のマジックワードになっています。
特別な時に行く商業施設は売上がピーキーになり、土日に売上が集中するので、平日も安定して売上がコンスタントに取れるようにしなければいけない。そうなるとデイリーの売上が売上の鍵になります。デイリーの売上のエンジンはスーパーマーケットです。周辺の住民は日々スーパーマーケットに来訪し、その周りで消費を行うという考えが開発担当の人たちの間でも注目されており、みなさんがご存知のような国内のビッグネームのナショナルチェーンのアパレルストアも可能な限りスーパーマーケットの周りに店舗を構えたいとおっしゃっています。このスタイルに成功したのがラゾーナ川崎でした。
そのラゾーナ川崎で成功した店舗の一つが無印良品でした。その無印良品が今回は郊外でスーパーマーケットとタイアップして新たな店舗を開店するとのこと。今回面白いのが無印良品が従業員をドライバーにして積極的に地域と連動していくと発表していることです。会社が動くよりもパワフルに現場で動ける人がガンガン地域に入り込んで、地域とつながることで地域のプレゼンスを高めるというものだと思います。こういった従業員を鍵に地域に溶け込むスタイルというのがますます求められるようになり、スーパー従業員がうまれてくるのではないかと思います。
今後の株式会社良品計画の地域での活躍が楽しみです。以下、株式会社良品計画のプレスリリースより引用。
地域とつながるスーパーマーケット隣接店舗 出店のお知らせ
東武動物公園駅西口の商業施設内
無印良品を展開する株式会社良品計画(東京都豊島区/代表取締役社長 松﨑曉)は、東武鉄道株式会社(東京都墨田区/代表取締役社長 根津嘉澄)が東武スカイツリーライン東武動物公園駅西口(埼玉県宮代町)において開発している商業施設内に、「無印良品 東武動物公園(仮)」を出店することをお知らせします。
■スーパーマーケット隣接店舗
東武動物公園駅西口エリアは、「東武動物公園」にご来場されるお客様をはじめとした宮代町、隣の杉戸町を訪れる方々と地域の方々との交流を生み、まちづくり活動の拠点とすることを目的に、東武鉄道株式会社が整備したお買い物とまちづくりの活動拠点です。敷地内には、約1,200㎡の芝生広場が設けられており、交流の場として活用される予定です。
今回出店する「無印良品 東武動物公園(仮)」は、株式会社東武ストア(東京都板橋区/代表取締役社長 土金信彦)が運営するスーパーマーケットと隣接します。日々の生活を支える上で欠かせない存在であるスーパーマーケットと、無印良品が提案する「感じ良いくらし」を融合させることで、地域でのコミュニケーションとまちづくりを推進すると共に、地域の皆さまのくらしの役に立つ店舗となることを目指します。■「地域とつながる働き方」を実践
無印良品は、商品やサービスを通じて、人と人、人と自然、人と社会をつなぐ存在でありたいと考えています。そ のため、「無印良品 東武動物公園(仮)」は、「地域とつながる働き方」を採用します。基本の店舗運営業務に加え、働くスタッフが店舗を飛び出し、業務の一環として地域のプレイヤーとつながっていく仕掛けを作ります。スタッフ自身が持つ特技を生かし、地域コミュニティに入り込むことで、地元生産者との協業やワークショップの開催、役に立つ情報の発信などを通じて、地域でのつながり・コミュニケーションが生まれる活動を展開していきます。