川西阪急スクエア最終リニューアルに「川西ロフト」誕生──ロフトが担う再生戦略の中核機能とは
兵庫県川西市における再開発型リニューアルとして注目を集めていた「川西阪急スクエア」に、全国展開する雑貨専門店ロフトが2025年6月13日に出店する。「川西ロフト」は、同館の1階に構える売場面積約210坪の標準フォーマット店舗で、ロフトの兵庫県内8店舗目として開業する。
ロフトの出店は、旧・川西阪急が専門店集積型モールとして再構成される最終段階の一環であり、施設全体のブランド刷新における中核的役割を担うとみられる。「川西阪急スクエア」は、阪急電鉄・能勢電鉄「川西能勢口」駅直結、JR「川西池田」駅からも徒歩圏という高い交通利便性を活かし、2025年春にグランドリニューアルを完了した。1989年の開業から35年以上が経過した旧施設の老朽化に対応し、商業機能の再定義と地域密着型の価値創出を目的に、百貨店フォーマットから生活密着型の専門店モールへと大胆な業態転換が図られている。
そのなかでロフトは、日常生活に根差した「雑貨の旬」を提案する役割を担う。美容・健康雑貨、文具、バラエティ雑貨、生活雑貨の4領域にわたり計17,300SKUを揃え、買い回りしやすいワンフロア型で展開される。駅直結という立地を活かして、通勤・通学者を含む若年層から、平日日中に訪れるシニア層・ファミリー層まで、幅広い商圏への訴求を狙う構えだ。
とりわけ、「旬」と「定番」を織り交ぜた商品構成は、施設に足を運ぶ動機づけと再来訪の両面を支える。ひんやり系グッズやUV対策商品などの季節商品を筆頭に、限定企画として文具関連の「メモマルシェ2025」も展開。施設全体の回遊性を高め、定期的なイベントを通じて購買体験の鮮度を保つ役割が期待されている。
川西市を中心とする北摂地域は、阪急沿線の住宅都市として成熟しており、今後も生活者人口の維持が見込まれるエリアである。近隣にはアステ川西やモザイクボックスといった競合施設が集積するが、ロフトが持つ独自の編集力とトレンド発信力は、それらとの差別化要素として機能する。生活雑貨とギフト需要を同時に捉えることのできるロフトの業態は、地域住民にとって日常使いと非日常体験の橋渡しとなる。
今回の出店は、単なる新店オープンではなく、「川西阪急スクエア」全体の商業的ポジションを補完する戦略的配置といえる。リニューアルによって再構築された施設に、ロフトという高認知度ブランドを取り込むことで、商圏内における存在感と集客力を高める構造となっている。川西ロフトは、今後の地域商業施設のモデルケースとしても注目される存在になるだろう。以下、株式会社ロフトのプレスリリースから画像と店舗概要を引用。
【店舗 概要】
■店舗名:川西ロフト
■開店日:2025年6月13日(金)
■所在地:兵庫県川西市栄町26-1 川西阪急スクエア1階
■売場面積:約210坪(約694㎡)
■営業時間:午前10時~午後8時
■従業員数:22名
■休業日:川西阪急スクエアに準ずる
【川西阪急スクエア 概要】
■開業日:1989年4月4日
■運営会社:株式会社阪急阪神百貨店
■店舗面積:約4,695坪(15,520㎡)
■テナント数:約160店舗
■アクセス:阪急電車、能勢電鉄「川西能勢口」駅、西改札から徒歩約1分、JR「川西池田」駅から徒歩約3分