売らない店を支える集客装置
売らない店。株式会社丸井グループが標榜する新しい方針。丸井に今や出店する店舗の多くがこれまでECサイトだけで展開していたD2Cと呼ばれるダイレクト トゥ コンシューマーブランドの店舗。同社はデジタルネイティブ世代の店舗に来る機会がない顧客層に対して来店機会を提供し、体験型プラットフォームとして自社を位置づけている。とは言えどもD2Cブランドやb8taのようなショールーミングの色が強い店舗だけでは集客自体が難しくなる。確かに売らない店は時代の要請があるコンテンツではあるもののまだまだメインの顧客層にとっては「売らない店」だけでの集客は難しい施設もあることは確か。
かといって、通常の人気の物販店舗を入れると売らない店との整合性も取りづらくなってくる。そこで集客の要になるのはやはり「食」。食は人を集客しうる力がある。しかし、飲食店を物販区画に出店させるとなると床まわりに大規模な工事をいれなければならなくなる。そこで今注目される食に関するMDは「食物販」。設備投資も重くなくあったとしても分電盤の新設などだけで、軽い設備投資で物販店舗を食の店舗に転換することが可能になる。
今回、丸井吉祥寺店で新たな食のゾーン「吉祥寺 ビオガーデンマルシェ」がオープンする。しかも1Fでの展開となる。単なる食物販ではなく、丸井グループが力を入れているサステイナブルというテーマをおさえたゾーンの開発となる。体にやさしいもの 心にやさしいもの 環境にやさしいものをテーマにサステナブルな取り組みを行うテナントを誘致したとのこと。コンセプトは「住む人・訪れる人の双方がついつい覗いてみたくなるような憩いの場」とのこと。もちろんイートインのスペースも用意してのオープンとなる。
食物販は売らない店が増えれば増えるほど需要が高まる業種になっていくのかもしれない。以下、今回の出店テナント概要および画像を株式会社丸井グループのプレスリリースから引用。
■ 出店ショップ(全7ショップ)
・スチーム ブレッド(惣菜ベーカリー)
・し~くんのベーグル屋さん(ベーカリー)
・Berry coco(フルーツ創作専門店)
・chalo chalo! chai break(ティースタンド)
・宝石のようなフルーツタルト tartotte(フルーツタルト)
・ポポカテ(プリン専門店)
・カレンダリウム(イベントショップ)