地域密着型コンビニ「わざマート」2号店が諏訪市にオープン ー 空き家活用と環境配慮で新たな商業モデルを提示
日本全国どこでも空き家問題、空き店舗問題が顕在化していっています。商店街はもちろんのことですが地域によっては駅前でさえも空き店舗の問題が顕在化していっています。私の実家のローカル線の駅なんて自動販売機さえも撤去されるのではないか?心配になるほど商業が廃れていっています。この空き店舗問題の解決に乗り出しているのが株式会社わざわざ。
長野県諏訪市に、ローカライズされたコンビニエンスストア「わざマート」の2号店が9月10日にグランドオープンした。株式会社わざわざが運営するこの新店舗は、地域の空き家を活用し、年中無休で営業する新しいタイプの小売店として注目を集めている。
わざマートは、「よいものがサッと買える」をコンセプトに掲げ、通常のコンビニエンスストアとは一線を画す品揃えが特徴だ。食品添加物の少ない食品や環境負荷を抑えた商品など、約2000種類の食品と日用品を取り揃え、健康志向や環境意識の高い消費者のニーズに応えている。また、地域の生産者と提携した直売所コーナーを設けるなど、地産地消の推進にも力を入れている点が特筆される。
2号店となる諏訪市の店舗は、1号店の東御市店よりもさらにコンビニエンスストアの機能性を高めた設計となっている。店内厨房で製造したおにぎりとお茶のテイクアウトサービスを提供するなど、地域のニーズに合わせた柔軟な店舗運営を行っている。
株式会社わざわざの平田はる香代表取締役は、わざマートの設立趣旨について、「よいものが好きだけど面倒くさがりな消費者のために、手軽に質の高い商品を提供したい」という個人的な想いから始まったと説明している。同時に、環境負荷の低減や社会貢献にも配慮した商品選定を行うことで、消費者の購買行動を通じて社会をよりよくすることを目指している。
諏訪市への出店は、地域の空き家再生の取り組みとも連動している。近年、諏訪市では株式会社リビルディングセンタージャパンの活動により、商店街の空き家を再生した場所への出店が加速しており、地域活性化の成功事例として注目を集めている。わざマート2号店の開店は、この流れに乗った形で実現し、移住者の増加に伴う新たな需要にも応える形となった。
株式会社わざわざは、2009年の創業以来、小売業を中心に事業を展開してきた。「パンと日用品の店 わざわざ」や、喫茶+本+ギャラリーを併設する「問tou(とう)」、コワーキングと体験型施設「よき生活研究所」など、従来の小売店の枠を超えた複合的な店舗運営を行っている。また、B Corp認証を取得するなど、社会的責任を重視した経営姿勢も特徴的だ。
わざマートの展開は、地方都市における新しい商業施設のモデルケースとして、業界内外から注目されている。地域の特性に合わせた品揃えや、環境に配慮した商品選定、そして空き家活用による地域活性化への貢献など、多角的なアプローチで地域に根ざした店舗づくりを行っている点が評価されている。
この新しい形態のコンビニエンスストアが、地方都市における商業施設のあり方や、持続可能な地域経済の構築にどのような影響を与えるか、今後の展開が注目される。わざマートの取り組みは、地域活性化と環境配慮型ビジネスの両立という、現代の小売業が直面する課題に対する一つの解答を示している可能性がある。以下、株式会社わざわざのプレスリリースから画像を引用。