地域とつながる“体験型ステーキレストラン”──ステーキのあさくま、桑名市に新店舗を開業
名古屋発祥の老舗ステーキチェーン「ステーキのあさくま」が、三重県桑名市に新たな店舗をオープンする。2025年6月30日に開業する「ステーキのあさくま桑名店」は、ゆったりとした非日常空間で本格的な厚切りステーキを味わえる郊外型店舗でありながら、体験型設備や地域住民参加型イベントを組み合わせた、新たな食の価値提案を行う点に注目が集まる。
同店の特徴は、創業以来こだわり続けてきた高品質なステーキメニューに加え、業界屈指の規模を誇る全45品目のサラダバーを標準装備していることにある。牛すじカレーやコーンスープ、デザートもすべて含めたこの充実した食べ放題メニューは、単なる付加価値にとどまらず、あさくまブランドの中核となっている。
また、店内にはワッフルやたい焼き、ソフトクリームなどを自分で作れるセルフクッキングコーナーを設置し、来店客自身が“体験”を楽しめる演出が施されている。これは、近年の外食市場で重要性が高まっている「滞在型レストラン」や「食育の場」としての機能を意識したもので、ファミリー層を中心に安定した需要を見込む戦略的な構造といえる。
今回の桑名店では、開業に先駆けて6月26日にプレオープンイベント「匠肉祭」を開催。このイベントでは、ステーキやハンバーグ、シーフード料理の食べ放題に加え、地元住民が店内で生演奏を披露する“メロディアン”と呼ばれる企画も実施される。あさくまアプリ会員から募集された演奏者がその場を彩るこの取り組みは、同社が力を入れてきた「顧客参加型」の店舗づくりを象徴するものであり、飲食体験と地域文化が融合する新たな試みとなっている。
郊外型ロードサイド店舗を中心に全国で約66店舗を展開するあさくまにとって、桑名エリアは東海圏における戦略的拠点の一つと位置づけられる。桑名市は名古屋都市圏からのアクセスが良く、車移動を前提とした商圏であるため、ゆっくりとした滞在が可能な同社の業態との親和性が高い。近隣にはブロンコビリーやビッグボーイといったステーキ系飲食店が存在するが、あさくまは“参加型エンターテインメント”という付加価値で明確な差別化を図っている。
コロナ禍を経て外食需要の回復が進むなか、ステーキ業態では価格と量だけでなく、体験価値の提供が問われる時代に入っている。ロードサイド型業態が見直される今、あさくまが提案する「地域に根ざした滞在型レストラン」のモデルは、今後の郊外飲食市場において一定の指標となるだろう。桑名店の開業は、その流れを象徴する一例であり、同社の今後の出店戦略の行方にも注目が集まる。以下、株式会社あさくまのプレスリリースから画像と店舗概要を引用。
![]()
![]()
![]()
■店舗情報
店舗名:ステーキのあさくま 桑名店
所在地:三重県桑名市五反田字口山1883
TEL:0594-86-7551