商業施設の新たな可能性を示す、Gapのユニバーサル・シティウォーク大阪店リニューアル
アパレルブランドの店舗が単なる物販の場にとどまらず、エンターテインメント性を高めた体験型の空間へと進化する動きが注目されている。この潮流を象徴する事例として、ギャップジャパン株式会社が2024年10月12日に実施するGap Factory Store ユニバーサル・シティウォーク大阪店のリニューアルが挙げられる。
今回のリニューアルでは、「オールドアメリカ」をコンセプトに、ショッピング体験にとどまらない多彩な要素を取り入れ、エンターテインメント性と体験価値を重視した店舗づくりが行われている。特筆すべきは、世界初となるGap創業者にちなんだカフェ「Doris Milk Bar」の併設だ。アメリカンダイナーをイメージしたレトロな空間で、ミルクシェイクやアイスクリーム、アイスクリームドーナツサンドウィッチなどの本店限定メニューを提供する。これにより、従来の衣料品販売にフード&ビバレッジの要素を加え、顧客の滞在時間延長と満足度向上を図る狙いが見て取れる。
さらに、Gapストア初となるプリントシール機「PHOTOISM」を設置したフォトブースも導入される。ここでは、Gapオリジナルのフレームを使用した写真撮影が可能で、プリントだけでなく動画データのダウンロードにも対応している。この施設は、若年層を中心とした顧客の SNS 投稿を促進し、店舗の話題性向上や集客力アップにつながると期待される。
店舗内には、購入商品にその場で刺繍やワッペンを付けられるカスタマイズステーション「CUSTOMIZE YOUR STYLE」も設置。和柄の刺繍デザインも新たに導入され、顧客の個性を尊重したサービスを提供する。
商品展開においても工夫が見られる。アイコニックなGAPロゴアイテムを中心に、デニムやボトムスなどベビーからアダルトまでの幅広い層向けの商品をラインナップ。加えて、帽子やソックスといった旅行に適した小物類、気温変化に対応できるアウターなど、立地特性を考慮した品揃えとなっている。
さらに、滋賀県発祥のライフスタイルブランド「KINTO」とのコラボレーションによるタンブラーやマグカップの販売も注目に値する。本店限定カラーも用意され、大阪のお土産としての需要も見込まれる。
Gapストア統括シニアディレクターの峰尾大史氏は、「ユニバーサル・スタジオ・ジャパンに隣接するこのエンターテイメント商業施設に、Gapストアをリニューアルオープンできることをとても嬉しく思います。この場所を訪れる皆さまに特別な一日を楽しんでいただけるように、ここでしか体験ができないコンテンツがたくさん詰まったストアとなっています」とコメントしている。
今回のリニューアルは、アパレルブランドの店舗が単なる商品販売の場から、顧客とのエンゲージメントを深める複合的な体験空間へと進化する動きを示している。ユニバーサル・シティウォーク大阪という立地特性を活かしつつ、オリジナリティあふれるサービスや施設を導入することで、新たな顧客層の開拓と既存顧客の満足度向上を同時に狙う戦略と言える。この取り組みは、今後の商業施設における店舗展開のモデルケースとなる可能性を秘めており、業界関係者からの注目を集めることが予想される。以下、ギャップジャパン株式会社のプレスリリースから画像を引用。