商業の新しい形を模索するリアルゲイトの挑戦
今日は梅雨の晴れ間だったので、ランチの時間に東池袋駅周辺及びサンシャインシティ付近を実査してきました。いつも歩かない道を歩いてみると、気が付かなかった建物やお店がありますよね。お昼時間なのでサンシャインのオフィスビルから相当数のビジネスマンが東池袋界隈に溢れ出てきており、裏通の裏寂れた定食屋さんも満席になるのがこの東池袋地区のお昼のいつもの様子です。
そんな裏どおりにぽつりと面白いお店がありました。ひがいけポンド。東池袋の「ひがいけ」に池を英語にして「ポンド」。場所のことしか示していないこのお店のコンセプトは「まちのインディーズ・レーベル」。まちの人びとの、日常の小さな越境と実践=インディーズ活動を応援することで、まちとひとの新たなはじまりを生み出す場所だとのこと。ひがいけポンドでできることは、1時間500円で場所を借りてお菓子を食べたり、思い思いのことができたり、日貸しスペースとしてキッチンやガレージを借りて、気軽に自分のお店を開くことができるスペースです。ちなみに今日は【逆スナック〜迷える25歳のお悩み相談〜】という、マスターが悩みを聞くイベントが開催されるそうです。
ひがいけポンドのように、これまでのテナントの形とは異なる業態の商業の形が、コロナを超えた今、徐々に顕在化しています。今回、ご紹介するのは株式会社リアルゲイトが東急プラザ表参道原宿5Fの300坪で挑戦する新規ビジネスについてお伝えしたいと思います。今回、同社はサブスクをベースにしたシェア型リテールコミュニティを提供します。カフェ、ショップ、ギャラリー、イベントスペース、ワークプレイス、ポップアップストアそれぞれが共存し、利用者も出店者も、すべてがシームレスにつながることで、従来の商業施設の「売り買いの場」から「体験・共感・共創を生むコミュニケーションの場」へとアップデートしようという試みです。施設側で用意したデザイン什器を「シェア」し、出店者が自由なスタイルでブランドアイデンティティを表現しながら気軽に出店できるメンバーシップの在り方や、利用者はもちろん、出店者やオフィスワーカー等、ここを使うすべての人が自由にコミュニケートできるラウンジ等の共用部を配置。
極力壁を建てずに、空間を創ることで、従来商業施設のリースライン方式での出店スタイルを取払い、フロアにいる利用者も出店者もシームレスに繋いでいくという挑戦的な試みを行うという。約850㎡の6階ルーフトップガーデン「おもはらの森」と、5階のラウンジ・ポップアップスペースを連携し、ブランドの自主企画イベントや、さまざまな個人やパートナーとのタイアップ、5階フロア全体を使った合同展示会など、デザイン、ファッション、フード、アート、ミュージック、シネマまで大小様々なカタチで幅広いカルチャーをこの場から発信していくとも言っている。サブスクメンバーは自身の繁忙期や閑散期に合わせ、フレキシブルに出店場所を拡大縮小できるため、ロスの少ない販売活動が可能になるとしている。デザイナーにより設計された様々な什器を使用するため、出店時期や気分毎に什器の変更や交換、追加等が可能となり、同じ商品でも什器を変更することでまた違う表現が可能になるとも言っている。
今までに無い新たな商業の形を各社がさまざまな立ち位置から模索する時代になったと感じさせられたニュースでした。以下、株式会社リアルゲイトのプレスリリースから画像と店舗概要を引用。
<施設概要>
所 在:東京都渋谷区神宮前4-30-3 東急プラザ 表参道原宿 5階
交 通:JR山手線 原宿駅 徒歩4分
東京メトロ 千代田線・副都心線 明治神宮前駅 徒歩1分
東京メトロ 千代田線・半蔵門線・銀座線 表参道駅 徒歩7分
階 数:地下2階~地上7階
構 造:鉄骨造 一部鉄骨鉄筋コンクリート造、鉄筋コンクリート造
延床面積:11,852.34㎡
リニューアル対象面積:1,136.50㎡
用 途:店舗、事務所
竣 工:2012年3月
リノベーション竣工:2023年7月下旬(予定)