商業に進むDX | 商業施設ニュース
商業施設に徐々にデジタル技術が浸透していっています。もともと商業施設は利用者が知らない部分でデジタルデータを昔から利用していました。そのデータの主な源泉はポイントカードです。ポイントカード利用者のデータを使うと、どの年代の人がどのお店でどういう商品をどの価格帯でどの頻度で購入しているかという詳細な情報が取得可能。その情報をうまく使って傾向を導き出すことができれば顧客をセグメント化し、クーポンなどのプロモーションも発行することが可能になる。
ポイントデータ分析と前後するタイミングで入退場をセンサーでカウントするピープルカウンターというものも導入されている。どこの入り口から日々何人の人が入ってきていて、どこの通りをよく通っているのかをセンサーで可視化することができるというもの。顔認証などがない時代から多くの商業施設で導入された設備。
で、最近はネット通販データとポイントデータを紐付けることでよりパーソナライズした情報を得ることができ、顧客に寄り添った形で販売促進が行えるようになってきている。今回のニュースはもう一歩進んだ商業のDXの形をご紹介。株式会社大丸松坂屋百貨店が株式会社NTTドコモと共同でAI顔認証ソフトウェアを使って実証実験を実施するというもの。株式会社NTTドコモの画像認識ソフトウェアとAI顔認証ソフトウェアを組み合わせることで高い顔認識を行い、同時に属性を推定するというもの。売り場に立ち寄った不特定の人の顔を認証し、年齢・性別を推定しどの棚を見ているかというデータを取得することが可能になる。そのデータを使って株式会社大丸松坂屋百貨店は店舗レイアウト改善や店舗の販売員配置などのオペレーションを改善するというもの。
この実証実験は大丸東京4Fのショールーミングスペース明日見世で実施されるとのこと。明日見世はそこで商品が購入できるわけではなく、そこで興味がある商品を見つけたらそこでQRコードを読んで商品を自宅配送、決済はネットで行うという東京大丸初のショールーミングスペース。実験的スペースで実証実験をおこなうことでより未来の百貨店のある形を模索している姿勢が伺えます。
商業施設はデジタル技術から取り残されるのではなく、取り入れられるところからデジタル技術をうまく取り入れ、データを分析し、よりよい商業施設運営につとめることが今まさに商業施設に求められています。時代に取り残されることなくできるところからDXしていきましょう。
以下、株式会社大丸松坂屋百貨店のプレスリリースより画像を引用。