吉田カバン、神戸三宮に新コンセプトストア「PORTER KOBE」を開業 直営店戦略の深化を示す二層構成店舗
兵庫県神戸市三宮において、吉田カバンが展開するPORTERの新たなコンセプトストア「PORTER KOBE」が2026年1月10日に開業する。立地は神戸三宮の商業集積地に位置する神戸BAL ANNEX2であり、感度の高いファッション・ライフスタイルテナントが集積するエリアへの出店となる。
吉田カバンは1935年創業の老舗バッグメーカーであり、1962年に誕生したPORTERブランドを中核に、日本のバッグ市場において独自の地位を築いてきた。「一針入魂」という哲学に象徴される縫製品質や耐久性は、長年にわたり業界内外から評価され、実用品でありながら高い完成度を備えた国産ブランドとして認知されている。大量生産・大量流通とは距離を保ちつつ、製品思想と品質を軸に支持を広げてきた点が同社の特徴である。
近年のPORTERは、プロダクト単体の訴求にとどまらず、ブランドの世界観を空間として提示する直営店戦略を強化している。その象徴が東京・表参道に構える旗艦店、PORTER OMOTESANDOである。同店では、商品構成やディスプレイ、イベント展開を含め、PORTERというブランドの思想を体験として伝える役割を担ってきた。
今回開業するPORTER KOBEは、二階建て構成のPORTER STOREとしては表参道店に続く二店舗目にあたる。店内はホテルのロビーやライブラリーをイメージした空間設計とされ、モルタルや大理石、ラタンなど複数の素材を組み合わせることで、従来の物販店舗とは異なる滞在性を意識した設えとなっている。一階は日常使いのアイテムを中心に構成しつつ、二階フロアでは限定アイテムやコラボレーションアイテムなど、編集性の高い商品展開を行う予定とされている。
商品面では、PORTER STORE限定アイテムに加え、一部店舗でのみ取り扱われるコラボレーションアイテム、さらに世界各地でセレクトされたアイテムを組み合わせた構成が予定されている。また、吉田カバン創業90周年を記念して展開されてきたFREE STYLEシリーズの限定カラーなど、過去に完売したアイテムも再びラインアップに加わる。加えて、同日には「G-SHOCK × POTR」の新たなコラボレーションアイテムも投入される予定であり、直営店ならではの商品編集力を示す内容となっている。
神戸三宮は観光都市としての顔と、日常的な都市消費を支える商業エリアとしての顔を併せ持つ立地である。そうしたエリアにおいて、PORTER KOBEは単なる新店という位置づけではなく、ブランドの直営店フォーマットを地方中核都市へ展開する試みと捉えることができる。売場面積や商品点数の拡大ではなく、空間価値と編集力によって来店動機を生み出す店舗モデルは、今後の物販テナント誘致を考える上でも示唆的な事例である。
PORTER KOBEの開業は、吉田カバンが長年培ってきたブランド価値と直営店戦略が、どのように都市型商業施設と接続していくのかを示す一つの到達点であり、商業施設側にとっても注目すべき出店事例といえる。以下、株式会社吉田のプレスリリースから画像と店舗概要を引用。
店舗詳細
PORTER KOBE
オープン日:2026年1月10日(土)
営業時間:11:00~20:00
所在地:兵庫県神戸市中央区三宮町3丁目6-1 神戸BAL ANNEX2
電話番号:078-954-7700






