京都駅に日本初“おだしの劇場型ストア”「京都離宮」開業 ライブ演出と五感体験で和食文化を次世代へ
京都駅に新たな商業体験型店舗として「京都離宮 ~おだしとだしまき~」が2025年5月12日にオープンする。手がけるのは、伏見区を拠点に出汁文化の発信を続ける株式会社プレメーズ。同店は日本初の“おだしの劇場型ストア”として、単なる物販・飲食の枠を超えた五感体験を提案する新業態である。
店舗の最大の特長は、5本の鉄鍋を操る職人による「だし巻きライブパフォーマンス」。ガラス越しに調理風景が展開され、京都駅南北自由通路を行き交う人々に、鉄鍋を返す音と芳醇な香り、そして華麗な手さばきを通じて“おだしの物語”が届けられる。演出は劇場を彷彿とさせ、ライブ性と視覚的な驚きを兼ね備えた新たな商業施設体験を創出している。
さらに店内では、天然素材を用いた「おだしの飲み比べ体験」を提供。京都離宮本店でも高い評価を得たこのプログラムは、単なる試飲を超え、嗅覚・視覚・触覚をも動員する五感体験となっている。利き酒ならぬ「利き出汁」を通じて、来訪者は自らの好みに合った出汁を発見できる設計だ。
商品構成も体験と連動。焼き立てだし巻きやだし巻き弁当に加え、粉末だし・出汁パック・飲むおだし・ギフト商品と幅広く、いずれも「家庭でもおだし文化を楽しむ」ことに主眼を置いている。中でも京都駅限定の「だし巻きBOX」は、華やかなデザインと持ち運びやすさで観光客の土産需要にも応える。
周辺市場においては、京都駅構内の土産・食物販店舗群に和食材・和スイーツの強豪が並ぶが、「ライブ演出」と「五感体験」を全面に打ち出す例は極めて稀である。駅ナカのギフト市場が成熟するなか、“物販+体験型エンタメ”の融合は競争回避と新規需要の掘り起こしという二重の戦略的意義を持つ。
また、和食文化に対するインバウンド客の関心の高まりも追い風だ。特に2024年以降、国内外の観光客が「体験型和食」「見て楽しむ和の技術」に強い関心を示しており、今回の業態はこうした潮流に合致している。
プレメーズは2022年に伏見で本店を開業し、地域密着型ながら「五感で楽しむ出汁文化」を掲げて成功を収めた。同ブランドの理念「人生に残る想い出の場所の創出」を京都駅という観光と生活の交差点で展開する形だ。老舗料亭や高級和食とは異なる、新世代の和食体験拠点として、今後の集客動向と商業施設内でのポジショニング確立が注目される。以下、株式会社プレメーズのプレスリリースから画像と店舗概要を引用。
【所在地】京都府京都市伏見区中島鳥羽離宮町45
【営業時間】10:00〜17:00(不定休)
【駐車場】45台
【Webサイト】https://kyotorikyu.com