京都河原町に新拠点 和包丁「MUSASHI JAPAN」、インバウンド需要を捉えた体験型店舗を開設
和包丁ブランド「MUSASHI JAPAN」を展開するTAIMATSUが、京都河原町駅前に新たな店舗を開設した。同社は2023年の設立以降、和包丁を中心とした伝統工芸の体験価値を重視した事業を拡大しており、京都では複数店舗を展開する成長局面にある。今回の出店は、観光・商業が高密度に集積する四条河原町エリアにおける旗艦拠点として位置づけられ、訪日客需要の厚みが増す京都市場で、さらに体験型のブランド認知を高める狙いがある。
同社の展開する「MUSASHI JAPAN」は、日本の伝統工芸と現代的な設計思想を組み合わせ、商品そのものの品質に加え、店舗で実際に手に取って体験するプロセスを重視してきた。この体験価値を支えているのが、多国籍スタッフによる接客体制である。42カ国から集まったスタッフが常駐し、言語や文化の異なる顧客に対して丁寧な商品説明を行い、用途に応じた包丁の選定をサポートする。この接客品質は、訪日観光客が安心して伝統工芸品に触れ、購入判断をしやすい環境を整える要素としてブランドの大きな強みになっている。
京都河原町は、国内外の観光客が集中し、飲食・ファッション・土産物・文化体験などの業態が密集する京都最大級の商業エリアである。駅前立地である本店舗は、短時間滞在の観光客も含めて立ち寄りやすい導線にあり、商圏内でのブランド接触機会の増加が見込まれる。近年、同エリアでは伝統工芸や文化要素を取り入れた体験型店舗が増加傾向にあり、体験価値を軸とするMUSASHI JAPANはその文脈に適合する形で市場に入り込んでいる。
TAIMATSUは和包丁だけでなく、日本酒や“侍文化”をテーマにした体験施設を運営しており、物販に体験を組み合わせた複合的なブランド展開を進めている。これらは訪日客の「本物志向」「職人技への興味」が高まる状況と合致し、出店を重ねるごとにブランドの浸透度を高めてきた。河原町店は、同社にとって京都における体験拠点の強化であり、複数店舗展開を行うブランドがエリアの中で存在感を高める象徴的な店舗となる。
また、同社は渋谷や表参道といった国内主要エリアでも出店を予定し、将来的な海外展開も視野に入れた成長フェーズにある。2025年には金融機関からの資金調達を実施し、内部統制やガバナンスの強化、事業基盤の拡充を進めている段階にある。伝統工芸品を取り巻く市場は、円安やインバウンドの構造的増加により、体験型の高付加価値商材が受け入れられやすい環境が続いており、MUSASHI JAPANはその波に乗る形でブランド価値を高めている。
京都河原町の中心に位置する今回の店舗は、伝統と現代性を調和させた設えで、ブランドの世界観を体感できる場として設計されている。京都の歴史的な街並みと観光回遊性の高さを背景に、MUSASHI JAPANが提供する「手触りとしての伝統工芸体験」がどのように浸透していくかが注目される。複数店舗を擁する京都において、本店舗は同社の成長戦略を象徴する存在となり、インバウンドの厚みが続く市場の中で、体験型伝統工芸ブランドの新たなモデルケースを示すことになりそうである。以下、同社のプレスリリースから画像と店舗概要を引用。
住所:〒600-8001 京都府京都市下京区四条通小橋西入真町77番地
営業時間:11:00〜21:00







