三田発「Unby General Goods Store」神戸三田アウトレットに出店──地域順化を進めるプレミアム・アウトレットの新たな象徴
兵庫県三田市に本拠を置くUNBY株式会社が展開するライフスタイルショップ「Unby General Goods Store(アンバイ ジェネラルグッズストア)」が、神戸三田プレミアム・アウトレットに期間限定で出店する。2025年11月2日から30日までの約1か月間の展開で、同ブランドとしては国内アウトレット初の試みとなる。運営を担う三菱地所・サイモン株式会社にとっても、地域発ブランドを誘致することで商業施設の地域順化を一段と推し進める象徴的な取り組みといえる。
UNBY株式会社は、オリジナルバッグブランド「AS2OV(アッソブ)」を中心に、アウトドアギアやアパレル、雑貨などを取り扱うメーカー兼セレクトショップ運営企業である。2013年の設立以来、「考え抜かれたデザインに機能性をプラスする」を理念に掲げ、単なるアウトドア用品としてではなく、日常に溶け込む“ファッションとしてのギア”を提案してきた。旗艦店を三田市の旧青野ダム記念館跡地に構え、地域の自然環境を背景にした空間演出や、併設カフェ「Unby Bowl Stand Sanda」での食体験など、都市と自然の間を結ぶブランド体験を形成している。
今回の神戸三田プレミアム・アウトレット出店は、同施設の地元企業連携戦略と重なる部分が大きい。同社はこれまでも「神戸三田エリア・カフェタイアップキャンペーン」などを通じ、周辺店舗との相互送客を進めてきた。郊外型アウトレットの特性である広域集客力を生かしつつ、地元の人気店やブランドを巻き込むことで“地域に根ざした体験拠点”としての位置づけを強めている。こうした地域順化の動きは、御殿場やりんくうなど他エリアにも波及しており、プレミアム・アウトレットが単なるブランド集積地から、地域経済と観光のハブとして進化する姿勢を示している。
三田市発のUNBYにとっても、今回の出店は地元と都市を結ぶ発信拠点として重要な意味を持つ。アウトレット来場者の多くは神戸・大阪北部などの都市圏居住者であり、三田ブランドとしての認知を広げる好機となる。AS2OVを中心としたプロダクト群は、素材開発力や造形美へのこだわりから国内外で高い評価を受けており、PORTERやBRIEFINGと並ぶ日本発バッグブランドとして独自の地位を築いている。特にCORDURAナイロンを用いた耐久性と、ファッション性の両立が支持され、近年はクラフト志向やガジェット層にも拡大している。
神戸三田プレミアム・アウトレットは現在約210店舗を擁し、西日本最大級の規模を誇る。ラグジュアリーからスポーツ、アウトドアまで幅広いテナントが並ぶ中で、地域ブランドであるUnby General Goods Storeの出店は、これまでの外資系・全国チェーン中心の構成に一石を投じる形となる。施設全体が地元企業との共創を進める中で、商業施設が“地域の文化やものづくりを体験できる場”へと変化していく流れがより鮮明になった。
アウトレットの商業戦略は、これまで価格訴求やブランド集積によって成長してきたが、成熟期に入った現在は“地域共生”が新たな成長軸となりつつある。今回の取り組みはその潮流を象徴しており、ローカルブランドの発信力とアウトレットの集客力が融合する好例として注目される。以下、三菱地所・サイモン株式会社のプレスリリースから画像と店舗概要を引用。
【店舗概要】
・店舗名:Unby General Goods Store神戸三田プレミアム・アウトレット 店
・所在地:兵庫県神戸市北区上津台 7-3
・店舗場所:1310区
・出店期間:2025年11月2日(日)~11月30日(日)
・営業時間:10:00~20:00(施設営業時間に準ずる)
・施設公式サイト: https://www.premiumoutlets.co.jp/kobesanda/







