ワークマン、「#ワークマン女子」を「Workman Colors」に改名し、男性向け衣料市場へ本格参入
ワークマンは、「#ワークマン女子」のブランド名を「Workman Colors」に改名し、男性向けのベーシック衣料市場へ新規参入することを発表した。これまでの女性向け商品に加え、男性向けの「快適普段着」シリーズを展開し、年間40店舗のペースで新規出店を進める。2025年2月から6月までに一挙25店舗をオープンし、今後7年半以内に全国で400店舗体制を構築する計画だ。
改名の背景
「#ワークマン女子」は2020年に誕生し、女性向けのアウトドアウェアや機能性ウェアの販売を強化することで成功を収めた。都市部のショッピングモールを中心に展開し、女性客を効果的に取り込んできたが、地方への出店が進むにつれ、新たな課題が浮上した。人口の少ない地域では女性客だけでは事業を維持しにくく、男性客の取り込みが不可欠になったのだ。
「#ワークマン女子」という名称が男性客にとって入りづらい要因になっていることも指摘されていた。そこで、店名を「Workman Colors」に変更し、性別を問わず利用しやすい店舗にすることで、より幅広い顧客層を獲得する狙いがある。
新業態「Workman Colors」の特徴
「Workman Colors」では、既存のワークマンやWORKMAN Plusとは異なり、専売商品を展開する。特に、男性向けの「快適普段着」シリーズを新たに導入し、アウトドアウェアに偏らないベーシックな衣料市場へ参入する。2025年秋までにColors店での専売製品比率を60%に引き上げ、2026年秋には80%まで拡大する計画だ。これにより、既存の作業服中心の店舗との差別化を図る。
店名の「Colors」は、ワークマンが持つ多様な機能性ウェアの特長を表現するとともに、デザイン性を重視する方向性を示している。すでに銀座で展開されている「Colorsブランド」の人気商品を軸に、トレンドを取り入れた商品開発を強化する。入荷即完売が続く「Colorsブランド」を主力とし、機能性・デザイン性・低価格を兼ね備えた製品ラインを拡充する方針だ。
地方市場への進出加速
ワークマンは、2024年秋に11店舗の新規出店を実施し、全店舗が全国平均売上を上回る成果を上げた。この成功を受け、今後は都市部のショッピングモール中心の展開から、地方のロードサイド店舗やフランチャイズ型の出店に重点を移す。
地方の衣料品市場では、競争相手が限られ、ユニクロやしまむらなどの大手2社が主な選択肢となっている。しかし、ワークマンはこの市場に新たに参入し、「第3の選択肢」としての地位を確立しようとしている。特に、これまでワークマンの作業服とは異なるカジュアルウェアを求める男性客の需要を取り込み、地方市場でのシェア拡大を狙う。
店舗改装と今後の展開
2025年2月20日には、新店舗「Workman Colors 桜井店」(奈良県)をオープンするとともに、既存の「#ワークマン女子」店舗(浜松市野店、コスパ新下関店、くりえいと宗像店)をColors店へと改装する。現在営業中の女子店も順次Colors店へと変更し、2027年3月までに全店舗の改装を完了する予定だ。
ワークマンは、地方市場への本格進出と男性向け衣料市場への新規参入を同時に進めることで、アパレル市場における新たなビジネスモデルを確立しようとしている。競合他社が都市部中心の戦略を取る中、「地方展開」と「男性客強化」を軸とした独自のアプローチで成長を目指す。
最終的には、「Workman Colors」の全国展開を進め、10年以内に900店舗規模へと拡大する計画だ。既存のワークマン店舗と合わせ、日本最大の作業服・カジュアルウェア専門チェーンを目指し、アパレル市場に新たな風を吹き込む。以下、同社のプレスリリースから画像を引用。