ワッツ、スーパー内出店で新たな顧客接点創出 – 栃木・山口で戦略的100円ショップ展開
100円ショップ業界において、地域に根ざした店舗展開が注目を集めている中、株式会社ワッツが新たな戦略的出店を行った。同社は2024年9月14日、栃木県鹿沼市と山口県光市に新店舗をオープンした。特筆すべきは、両店舗ともに地域密着型スーパーマーケットの店内に出店する形態を取っていることだ。
鹿沼市では「ワッツウィズ 鹿沼カスミ店」をカスミ鹿沼店内に、光市では「ワッツウィズ 光アルク店」をアルク光店内に開店。この出店戦略は、日常的に利用されるスーパーマーケットとの相乗効果を狙ったものと見られる。地域生活者のデイリーライフに欠かせない生鮮スーパーの店舗内に100円ショップを併設することで、双方の顧客にとって利便性が向上すると同時に、新規顧客の獲得にもつながる可能性が高い。
両店舗とも、ワッツウィズブランドで展開され、台所用品、掃除用品、洗濯用品などの日用品をはじめ、文房具、インテリア雑貨、モバイル関連商品まで幅広い品揃えを特徴としている。この多様な商品ラインナップは、スーパーマーケットの品揃えを補完し、顧客の一度の来店で多様なニーズに応えられる環境を創出している。
株式会社ワッツは現在、「ワッツ」「meets.」「シルク」「フレッツ」などのブランドで全国に1,700店舗以上を展開する業界大手だ。今回の出店は、同社の地域密着型戦略の一環と見られ、地域生活者に寄り添う姿勢を強化する動きとして注目される。
この出店形態は、商業施設運営者にとっても示唆に富んでいる。スーパーマーケットと100円ショップの組み合わせは、集客力の向上と滞在時間の延長につながり、施設全体の活性化に寄与する可能性がある。また、既存の商業施設にとっては、テナントミックスの新たな選択肢として参考になるだろう。
ワッツの今回の展開は、単なる店舗数の拡大ではなく、地域のニーズに合わせた戦略的な出店として評価できる。スーパーマーケットとの協業モデルは、今後の100円ショップ業界における新たなトレンドとなる可能性を秘めている。
商業施設業界は今、コロナ禍を経て消費者の購買行動が変化する中、新たな価値提供の模索が続いている。ワッツの取り組みは、日常生活に密着した実用的な商品を、より便利に提供するという点で、この潮流に合致していると言えるだろう。
今後、このような地域密着型の出店戦略がどのように展開され、どのような成果を上げていくのか。また、他の100円ショップチェーンや異業種との連携にどのような影響を与えていくのか。商業施設関連事業者にとって、引き続き注目すべき動向となりそうだ。以下株式会社ワッツのプレスリリースから画像と店舗概要を引用。
店舗情報
◆ワッツウィズ 光アルク店
住所:山口県光市島田1-12-20 アルク光店内
営業時間:9:00~22:00
https://maps.app.goo.gl/1Ln5MxpGHqTbarKL8
◆ワッツウィズ 鹿沼カスミ店
住所:栃木県鹿沼市栄町2-15-1 カスミ鹿沼店内
営業時間:9:00~21:45