ミュージアムショップの進化: 商業施設とアートの融合による地域活性化
つい先日ですが。国立科学博物館に子供と行ってきました。大勢の親子連れと海外からの観光客で大変盛況でした。特別展示の最後でちゃっかりと子供に特別展示の図録を購入して帰りました。最近の特別展や博物館そして美術館のミュージアムショップはこれまでの図録だけを販売していたときとかわり様々な商品を販売しています。
そもそもミュージアムショップは、博物館や美術館などの敷地内に存在する販売施設で、展覧会カタログや関連書籍、オリジナルグッズ等を取り扱う場所。元々は展覧会図録の販売が主でしたが、次第にその品揃えが拡大し、博物館の収入源の一つとなっています。日本の一部のショップでは物産展の扱いだけですが、多くの場合、来館者へのフォローとしての役割も果たしており、オリジナル商品の開発や通信販売などを通じて、関心の維持・向上が図られています。近年では、図書室やレストランと同様に、博物館・美術館には欠かせない施設となっています。
そんなミュージアムショップですが、ミュージアムだけではなく商業施設にも進出しています。株式会社東急モールズデベロップメントが運営する商業施設「香林坊東急スクエア」は、2023年8月8日(火)に、setchu 株式会社が運営する私設現代アート美術館「KAMU kanazawa(カム カナザワ)」のミュージアムショップとカフェを併設した道「076-(ゼロナナロク)」を1階にオープンするとのこと。
「076-」は金沢市の広坂エリアに位置し、ミュージアムショップ、カフェ、展示空間、ベンチスタンドを組み合わせた多機能の「道」で、香林坊東急スクエアから徒歩3分です。この場所は美術館「KAMU kanazawa」によって作られ、誰もが自由にアートを楽しめるボーダーレスな空間を提供しています。このプロジェクトは金沢の街を回遊する人の流れを生み出し、香林坊東急スクエアでも地域活性化を図る一環で、同美術館の展示スペース「KAMU sky」が既に屋上に誘致されています。さらに、香林坊東急スクエアは、地域のアートスポットと連携し、地域特性を活かした取り組みを進め、全体の活性化に努めているとのこと。
あらためてアートと商業施設について述べるときに地域貢献、社会貢献というキーワードは切り離すことができません。アートと社会貢献と商業施設の関係性は、地域の文化的な発展と商業的な成功を相互に促進するものとなります。商業施設内にアートスペースや展示を設けることで、訪問者に新しい体験を提供し、文化と芸術への関心を高める役割を果たします。同時に、地域社会への貢献として、教育、観光、地域活性化などの側面からの影響ももたらします。アートの普及と地域の個性の強化が、商業施設の顧客体験の向上と経済的利益にもつながるため、これら三者の相乗効果は高いと言えるでしょう。
今回の取組では株式会社東急モールズデベロップメント側の努力も求められる気がします。売上が低くなり退店しそうになったときには賃料減免してでもこの店舗を出店させ続けることで、株式会社東急モールズデベロップメントの文化に対する姿勢が問われることになります。今後の展開に期待。以下、株式会社東急モールズデベロップメントのプレスリリースから画像と店舗概要を引用。
「076-」 KAMU kanazawa Museum Shop & Cafeについて
オープン日:2023年8月8日(火)
入場料:無料
休業日:無休(香林坊東急スクエアの営業日に準ずる)
※カフェ、展示室のみ 週2回(月曜+不定期)休業します
営業時間:10:00~20:00
※カフェ、展示室のみ 11:00~18:00