ファミリー向け屋内遊戯施設「カラフルパーク」多摩に登場──地域密着型アミューズメントの新たな展開
東京都多摩市の商業施設「ザ・スクエア聖蹟桜ヶ丘」に、屋内型のファミリーアミューズメント施設「カラフルパーク 聖蹟桜ヶ丘店」が2025年7月4日に開業する。運営は、東名阪を中心に45店舗以上のアミューズメント施設を展開する株式会社カーゾック。かつて百貨店屋上の遊園地運営からスタートした同社が手がける本施設は、キッズパークとゲームゾーンを複合した約300㎡の屋内型遊び場であり、地域のファミリー層をターゲットとした商業施設テナントの新たな文脈を体現している。
カラフルパークは、従来のゲームセンター的要素にとどまらず、安心・安全をキーワードにした子育て世代向けの体験空間として構成されている。施設内には、木製ジャングルジムやボールプール、インタラクティブな体感ゲームなどを設置したキッズパークを中心に、乳幼児向けのベビーコーナーも用意される。また、「太鼓の達人」や「マリオカート」など、家族で楽しめる体感型ゲームの導入により、幅広い世代への訴求力を確保している。
屋内型遊戯施設は、2020年以降のコロナ禍で一時大きな打撃を受けたが、近年は「屋内×安心×多機能」をキーワードに再評価が進んでいる。特に猛暑や寒波、突発的な悪天候による屋外利用の制限が常態化する中、年間を通じて安定的に利用できる環境は、ファミリー層からの支持を得やすい。こうした潮流のなか、カラフルパークのような滞在型施設は、商業施設における“目的地”としての役割を担い、購買回遊を促す装置としても機能する。
出店先の「ザ・スクエア聖蹟桜ヶ丘」は、旧「京王聖蹟桜ヶ丘ショッピングセンターA館」を再整備して生まれた駅直結の複合商業施設。周辺には多摩川河川敷や広大な住宅エリアが広がり、子育て世代の定住率も高いことから、日常的な利用が見込めるロケーションにある。既存の「京王百貨店聖蹟桜ヶ丘店」や「OPA」などと合わせて、駅前の商業ゾーン全体の滞在価値を高める新たな要素となることが期待される。
株式会社カーゾックは、体験型施設「kiond(キオンド)」の展開や、ICT学習塾「ジスタ」の運営を手がけるなど、「遊び」と「学び」の両立を意識した事業戦略を進めている。同社が注力するアプリを活用した顧客接点のデジタル化は、今回のカラフルパークにおいても導入され、アプリ登録によるクーポン配信やイベント参加の導線が組まれている。こうした取り組みは、来店頻度や再訪率の向上に寄与し、テナントとしての安定的な集客基盤の構築にも資する。
多摩エリアにおいては、立川や多摩センターといった広域集客型商業施設が存在する一方、駅前密着型の商業ゾーンでは、こうした屋内型の子ども向け施設の展開が限定的だった。今回の出店は、聖蹟桜ヶ丘エリアの商業機能に新たなアプローチを加えるものであり、施設全体のポジショニングの変化も注目される。
コロナ禍を経て再構築されつつある屋内アミューズメント業態のなかで、「地域密着×体験価値」に軸足を置いた同店の開業は、周辺商業施設や同業態にとっても一つの指標となりそうだ。以下、株式会社カーゾックのプレスリリースから画像と店舗概要を引用。
【店舗概要】
店舗所在地:東京都多摩市関戸1丁目1-5 ザ・スクエア聖蹟桜ヶ丘 B1F
営業時間:10:00〜20:00(キッズパークのみ10:00~18:00・最終受付17:30)
面積:約300m2
グランドオープン:2025年7月4日(金)