ビールメーカーによる“体験型直営拠点”、YEBISU BARがekismさいたま新都心に開業──ブランドと街が交差する新たな場づくり
さいたま新都心駅直結の複合賃貸施設「ekismさいたま新都心」の開業にあわせて、サッポロライオンが展開するブランド直営業態「YEBISU BAR(ヱビスバー)」が2025年7月25日に新店舗を開業する。同店は、サッポロビールのプレミアムビール「ヱビス」の世界観を一貫した空間設計とサービスで体現する“メーカー直営のブランド体験型店舗”であり、商業施設内における飲食業態の中でも特異な位置づけとなる。
YEBISU BARは、「ALL FOR YEBISU ~ヱビスの全てが、ここにある。~」をコンセプトに2009年銀座で1号店を開業以来、駅ナカや都市型商業施設への出店を進めてきた。ビールを単なる飲料としてではなく、空間、サービス、食のマリアージュを通じて“体験”として提供する点が最大の特徴だ。今回の新店でも、樽生ヱビスの多彩なラインアップと料理とのペアリングが楽しめる。白木を基調とした内装に、ゑびす様の意匠を織り交ぜた和モダンな空間は、街の喧騒から離れた上質なひとときを演出する。
立地となる「ekismさいたま新都心」は駅直結型の複合施設で、住宅と商業機能を備えた都市型再開発の一環。さいたまスーパーアリーナやコクーンシティといった広域集客施設が周囲にあるなか、平日昼間はオフィスワーカー、週末はイベント来場者、そして施設居住者と多層的な利用者が見込まれる立地である。こうしたエリアにおいて、上質で安定感のあるビアバー業態は“場の質”を高める装置として機能しやすい。
また、メーカー直営店舗であることの意義は、商業施設にとっても大きい。自社ブランドに準拠した空間設計、統一されたサービス品質、ビール文化を伝える教育的な接客など、単なるチェーン飲食とは一線を画す存在として信頼性が高い。特に今回のような再開発型施設では、地域のブランド価値との親和性や、エリア全体のイメージ形成にも貢献する。
さらに、ヱビスバーのような店舗は、販売だけでなくブランドの体験拠点、マーケティングのリアルな接点としても活用される。樽生の注出状況や料理との組み合わせ、時間帯別の客層分析など、リアル店舗ならではの情報が蓄積される場であり、今後の商品開発や販売戦略にもフィードバックされていく。これは飲料メーカーにとって、自社製品を最も理想的な形で提供できる“出口戦略”の具体化でもある。
再開発が進む都市型住宅と駅直結施設、そしてブランド体験型直営業態。三者が交差する今回の出店は、ビールを媒介とした都市と人の新しい関係性を提案するものといえる。サッポロビールとサッポロライオンがこれまで培ってきたノウハウが、次なる都市型商業施設モデルの一手としてどう機能するか、注視していきたい。サッポロホールディングスのプレスリリースから画像と店舗概要を引用。
【店舗データ】
■店名:YEBISU BAR ekismさいたま新都心店
■開店日:2025年7月25日(金)
■住所:〒330-0843 埼玉県さいたま市大宮区吉敷町四丁目262番18 ekismさいたま新都心 4階
■規模:76席(158.37㎡/47.91坪)
■電話番号:048-714-5000
■営業時間:月~木・日 11:30~22:00 / 金・土 11:30~23:00