パルコ心斎橋に化粧品店のセレクトセミセルフ新業態出店
私大学でSDGsやCSRについて教鞭をとっているので言いますが日本のSDGsやCSRについては本当に哲学がなくて流行りで行うところが多くてびっくりしています。どんな企業でも2人以上の人間をまとめるためには理念が必要になります。その理念が社会に貢献するための事業として事業を行っているということであれば、CSRやSDGsに比較的馴染みやすい企業風土を持っているケースが多いものでした。しかし、近年SDGsにコミットすることが当たり前という雰囲気になり、これまで社会貢献もCSRも具体的な動きをとっていない企業が突然とってつけたようにSDGsについて語り、対応したアクションを行っていますという企業も増加してきます。
消費者は年々学んでおり、それぞれSDGsに対して社会や環境に対して向き合うようになりつつあります。小手先のSDGsなんてものはすぐにばれるようになっています。企業側が慎重に考え、エビデンスをもってSDGsに対応しているとむねを張っていえる状況においてのみSDGsに対応していると言える環境になりつつあります。本当に環境にやさしいことをしたいのであれば全てのメーカーはものを作ることを停止し、消費者も必要のない商品を購入することをやめ、一度購入した商品が使えなくなるまで使い切るということが大切になります。これが最大限現代社会ができることと考えた上でどこまでを自社としてSDGsという言葉を使ってもいいかを考えるべきなのかもしれません。
今回とりあげるのは株式会社パルコの心斎橋PARCOにB1Fにオープンするコスメセレクトショップ「ボーテ・ド・ブルー」。株式会社パルコ自体はサステイナブルな取り組みを積極的に行っており、サステナビリティ方針のもと6つのテーマで活動することにより、SDGsの達成にも貢献し、企業価値を高めるサステナブルな経営を目指しているとのこと。同社がリーシングした先の企業がナチュラル、ヴィーガン、SDGsなど、未来の地球環境に対して責任を持ち、積極的に人や地球にやさしい社会に取り組む企業やブランド姿勢をもつ商品をラインナップした株式会社三笠屋化粧品店のブランドがボーテ・ド・ブルーとのこと。本当に申し訳なく思うのですが、プレスリリースを見る限りSDGs的なアプローチの商品はプレスリリースの中には表記がありませんでした。おそらく店頭にはあるんだと思います。
プレスリリースの中で表記されていた商品は自然派化粧品と呼ばれる範疇の商品群。今回のプレスリリースは株式会社パルコ心斎橋店営業課で発信されたようで、株式会社パルコ本社から出たものではありません。本社がどんなに頑張っても売り場がSDGsをプレスのネタとして使用するとその頑張りが評価できなくなってしまったりします。どうかSDGsやナチュラルそしてヴィーガンなどという言葉を使用する場合はプレスリリースでもエビデンスをもって発信いただければと思いました。ただし、ボーテ・ド・ブルーで使用されている商品はすばらしく魅力的な商品群です。昨今の自然派化粧品の人気に応じる形で株式会社三笠屋化粧品店が自らのセレクトで注目の自然派化粧品を集めて作り上げたセミセルフの新業態。この業態はSDGsやナチュラルなどの言葉をおいておいても注目に値する売り場になるではないでしょうか?以下、株式会社パルコ心斎橋店営業課のプレスリリースから画像を引用。