トイザらス、キダルト層も狙った新コンセプト店を大阪にオープン – おもちゃ市場の新たな成長戦略
国内のおもちゃ市場が、少子化にもかかわらず拡大を続けている。日本玩具協会の調査によると、2023年度の市場規模は初めて1兆円を突破し、過去10年間で26%以上の成長を遂げた。この成長を牽引しているのが、「キダルト」と呼ばれる子ども心を持ち続ける大人たちだ。特に「カードゲーム・トレーディングカード」カテゴリーは前年度比18%以上の伸びを記録し、市場全体の約3割を占めるまでに成長している。
この新たな市場トレンドに応える形で、日本トイザらス株式会社は2024年10月11日、大阪府門真市の大型複合商業施設「三井ショッピングパーク ららぽーと門真」内に、新コンセプトの店舗「トイザらス ららぽーと門真店」をグランドオープンした。約418平方メートルの売場面積を持つこの新店舗は、子どもたちに人気の高いおもちゃとキダルト向け商品に特化し、幅広い年代層をターゲットにしている点が特徴だ。
新店舗の最大の特徴は、店内の約半分のスペースをキダルト向け商品エリアに充てている点にある。このエリアは、トイザらスの店舗の中で最大規模を誇り、ミニチュアフィギュア、アメコミや映画キャラクターのフィギュアやグッズ、プラモデル、ゲーム関連グッズなど、大人のコレクターも満足できる幅広い品揃えを実現している。
同時に、子ども向けの人気商品も充実させている。「仮面ライダーガヴ」「BEYBLADE X(ベイブレードエックス)」「Tamagotchi Uni」といった最新のヒット商品を取り揃え、トイザらスが自信を持って推奨する商品を厳選して展開している。さらに、「レゴ®ブロック」や「トミカ」のミニカーなど、子どもと大人の両方が楽しめる商品も豊富に用意されている。
日本トイザらス株式会社の李孝代表取締役社長は、この新店舗について「子どもから大人まで幅広い年代の方にお楽しみいただける店舗を目指しました」とコメントしている。少子化が進む中でおもちゃ市場が成長を続けている背景には、このようなキダルト層の取り込みが大きく貢献していると考えられる。
新店舗のオープンを記念して、10月11日から14日までの4日間、トイザらスオリジナルのデザイナートートバッグを各日先着280名(1家族1点)にプレゼントするキャンペーンも実施される。
この新店舗の開店は、おもちゃ業界全体の新たな戦略を象徴するものと言えるだろう。従来の子ども向け市場に加え、懐かしさや収集欲を刺激するキダルト層向けの商品展開が、市場拡大の重要な鍵となっていることが明確に示されている。
商業施設運営者や小売業者にとって、このトイザらスの新たな取り組みは注目に値する。従来の子ども向け専門店という枠を超え、大人も楽しめる空間づくりやキダルト層を意識した商品構成は、他の業態にも応用可能な戦略と言えるだろう。
今後、他のおもちゃ専門店やさまざまな小売業態が、このようなキダルト市場をどのように取り込んでいくのか、業界全体の動向が注目される。少子高齢化が進む日本市場において、新たな顧客層の開拓と既存顧客の購買意欲の喚起は、持続的な成長のための重要な課題となっている。トイザらスの新店舗は、その課題に対する一つの解答を提示したと言えるだろう。以下、日本トイザらス株式会社のプレスリリースから画像と店舗概要を引用。
■店舗概要
店舗名称 : トイザらス ららぽーと門真店
オープン日 : 2024年10月11日(金)
所在地 : 大阪府門真市松生町1番11号 ららぽーと門真3F
売場面積 : 約418㎡
営業時間 : 10:00~21:00