タリーズ、九州初の公園内店舗を福岡に開業 ―ドライブスルー併設で地域共生型モデルを体現―
タリーズコーヒージャパン株式会社は、2025年4月1日に「タリーズコーヒー 福岡東平尾公園店」をオープンする。福岡市博多区に広がる都市公園「福岡東平尾公園(通称:博多の森)」内に位置し、九州エリアでは初となる公園内立地かつドライブスルー併設型店舗である。都市部における回遊型パブリックスペースの価値が再評価される中、同店の出店はタリーズの地域密着戦略とサステナブルな空間設計を体現する新たなモデルケースとして注目される。
店舗が開設されるのは、園内でもとりわけ家族連れに人気の「大谷広場・冒険コーナー」。芝生が広がるこのエリアは子ども向け遊具も整備され、近隣住民の日常的な憩いの場となっている。店舗は全面ガラス張りで、店内からは開放感あふれる緑豊かな景観が広がる。テラス席からは大芝生広場を一望でき、自然との一体感を味わいながらコーヒーを楽しめる設計となっている。
また、同店の隣接地にはサッカーJ1クラブ・アビスパ福岡のホームスタジアム「ベスト電器スタジアム」があり、地元スポーツ文化との親和性も高い。店内には選手のサイン入りユニフォームが展示されるほか、アビスパ福岡とコラボした限定手ぬぐいも販売されるなど、地域密着型の取り組みが随所に反映されている。
タリーズは全国約760店舗を展開する中で、「地域社会に根ざしたコミュニティーカフェ」を企業理念に掲げており、同店ではその姿勢をより具体的に示す取り組みも導入されている。家具には繊維系廃材100%のリサイクル素材「リフモ」を採用し、廃棄端材をアップサイクルした什器やディスプレイが空間全体に配置されている。こうしたサステナブルな素材活用は、タリーズが展開するCSR活動「Tully’s Action」の一環であり、環境・福祉・地域貢献の3軸を掲げる同社の基本姿勢が設計段階から反映されたかたちだ。
店舗内にはキッズスペースや仕切り可能な半個室も設けられ、ドライブスルー対応とあわせて、子育て世代から高齢者まで幅広い層の利用を想定した空間構成となっている。また、全席禁煙・バリアフリー対応である点も、公共空間と共存する店舗づくりとして評価できる。
こうした“公園×カフェ”という業態は近年、都市公園の利活用促進を背景に注目を集めており、スターバックスが都内の文化施設や地方の庭園内へ進出する動きとも通じる。タリーズはこれまでも病院内や大学、公共施設への出店を積極的に行っており、本件はその延長線上にある。一方で、九州エリアにおける同様の取り組みは前例が少なく、今回の出店は地域のにぎわい創出や滞在価値の向上を担う拠点として、新たな位置づけとなる可能性を持つ。
単なる飲食提供にとどまらず、地域・公園・スポーツ・環境といった多面的な文脈を内包した「福岡東平尾公園店」は、今後の地方都市における公共空間における店舗展開の方向性を示唆する事例といえるだろう。公園空間の新たな活用と地域のサードプレイス創出における実験的な拠点として、施設関係者の関心を集めそうだ。以下、同社のプレスリリースからイメージ画像と店舗概要を引用。
【店舗情報】
■店舗名称 「タリーズコーヒー 福岡東平尾公園店」
■所 在 地 福岡県福岡市博多区東平尾公園2丁目1番5号
■電 話 092-402-5070
■営業時間 9:00~20:00(月~金)、8:00~20:00(土日祝)
■席 数 62席(テラス20席含む) ※全席禁煙