サミット、駅直結型モールに新機軸 ららテラス北綾瀬店で“中食体験型SM”を強化
都市型商業施設とスーパーマーケットの融合が進むなか、首都圏を中心に店舗展開するサミットが、新たな出店形態を示した。「ららテラス北綾瀬」に6月24日開業した「サミットストアららテラス北綾瀬店」は、東京メトロ千代田線の北綾瀬駅に直結する駅改札0分の立地を活かし、地域住民と駅利用者をともにターゲットとした都市型SMとして設計されている。
出店場所となった「ららテラス北綾瀬」は、足立区北綾瀬駅周辺の再開発にあわせて整備された三井不動産グループの都市型モールで、生活インフラ機能と集客型機能を兼ね備えた構成が特徴。これに呼応するかたちで出店した同店は、単なる食料品の提供にとどまらず、「鮮度」「簡便性」「手づくり」といった要素を売場全体に組み込むことで“食のテーマパーク”を標榜する。
注目されるのは、惣菜・簡便商品への注力ぶりである。青果・鮮魚・精肉それぞれの売場で販売する素材を活用し、店内で製造したサラダや焼魚・煮魚、肉惣菜などを提供。また総菜売場やインストアベーカリーでは、自家製惣菜を具材とした弁当やサンドイッチを多数展開する。こうした“できたて”の提案を支えるのが、調理の手間を省いた「半調理商品」群で、フライパンで焼くだけ・容器ごとレンジ調理可能な商品を、店内で加工し提供している。
さらに、PB商品にも力を入れる。「サミットオリジナル」シリーズや、食品添加物を極力使わずに素材本来の味を活かす「素材をそのまま」シリーズなど、緑色のブランドマークを軸にした独自開発商品群は、価格帯と品質のバランスで競合との差別化を図る。
売場構成でも随所に工夫が見られる。「農家からの直送コーナー」「フレッシュデザート」などテーマごとのセレクト棚を導入し、選ぶ楽しさとシーン提案を両立。また、案内係による声かけや試食を通じた対面接客、リクエスト商品を並べる「“置いてね”におこたえしました!」コーナーなど、従来のセルフ式SMとは一線を画した“買い物体験”を志向している。
首都圏近郊では、ライフやマルエツ、オーケー、成城石井といったスーパーマーケットがそれぞれ異なる戦略で商業施設への出店を進めているが、サミットは中価格帯を軸に、インストア製造・体験接客・選ぶ楽しさといった“人と商品をつなぐ”場作りで差別化を図ってきた。今回の北綾瀬店は、そうした同社の強みを駅直結の都市型モールに最適化したモデルケースと位置付けられる。
今後、同様の立地への展開が加速するかは未知数だが、少なくともこの北綾瀬での新店舗は、再開発エリアにおける生活密着型SMの新たなロールモデルとして、同業他社に対しても示唆を与える存在となりそうだ。以下、サミット株式会社のプレスリリースから画像と店舗概要を引用。
≪店舗概要≫
店舗名 サミットストア ららテラス北綾瀬店 店長名 岡 悠一 (おか ゆういち) 住所 〒120-0006 東京都足立区谷中四丁目8番1号 電話番号 03-3620-0921 ホームページ https://www.summitstore.co.jp/store/tokyo/post/?id=233 駐車台数 約200台(施設共用) 駐輪台数 約600台(施設共用) 営業時間 9:30 ~ 22:30 年間休日 未定