キューレーション型小売
ここに一つのお皿があったとします。一つは500円。もう一つは750円。なにも変わらないお皿です。どちらを買いますか?と聞かれると殆どの人が経済合理性を選び500円のお皿を購入します。しかし、750円のお皿を購入させることができないか?と言われると、それはできます。ここで問題になるのが誰が選んだかと誰が売るか?という点です。目利きが選んだ商品で、なおかつ目利きが著名人であればその可能性は飛躍的に上がっていきます。それに合わせて、目利きが説明してくれるとその可能性は実現性に近づいていきます。
そんなサイトが2012年5月にオープンし10年間維持されています。伊勢丹のカリスマバイヤーであった故・藤巻幸大氏(ふじまきゆきお / 1960-2014)が中村亮氏と立ち上げた株式会社caramoの藤巻百貨店。藤巻氏の圧倒的なカリスマ性、センス、キューレーション能力(商品情報の深さ、広さ、情報整理方法、伝達方法)によって、これまで数多くの日本の技術が光る高いデザイン性と機能性を両立したあっと驚く逸品を見つけ、磨き、販売されてきました。藤巻氏が創業から2年で亡くなられてからも同社の同サイトは引き続き、藤巻氏のキャラクターを維持し、消費者を驚かせつづけています。今やFacebook会員は約24万人、メルマガ会員は約10万人、職人やクリエイターなど取引先は400社を超。
キューレーション型の小売としてのある種完成形が現在の藤巻百貨店でもあると言えます。例えば江戸切子ひとつとっても藤巻百貨店のキューレーションにかかれば、江戸切子の良さを知り尽くした上で、藤巻百貨店の別注をかけることでより高付加価値の商品を生み出すことができています。これが全方位でカバンだろうが、Tシャツだろうが、履物だろうがなんでも出来てしまう強みを持っています。数年間続けることは出来てもこれを10年組織として続けることはなかなかできるものではありません。
そんな藤巻百貨店が原宿神宮前に新店を出店。オープンは10月上旬になるとのこと。藤巻百貨店の強みは画像の美しさと説明の歯切れの良さ。これをリアル店舗でどこまで再現できるのかが課題になってくるのではないでしょうか?おそらくライティングには相当注意を払わないと画面で見た商品よりも貧相に見えてしまいます。商品説明も相当商品知識がある人間が店頭に立たないとウェブサイトプラスαのショッピング体験を提供することは難しいかとも思います。株式会社caramoの新たな挑戦、注目していきたいと思います。以下、同社のプレスリリースより画像と店舗概要を引用。
店舗概要
<藤巻百貨店exclusive 原宿神宮前>
〒150-0001
東京都渋谷区神宮前3丁目25番14号 ヱスラ原宿ビル 2階
TEL:03-6434-1099(代表)
店舗オープン予定:2022年10月上旬
※オープン日は確定次第、藤巻百貨店及びcaramoのHPにてご案内いたします
https://fujimaki-select.com/
http://www.caramo.jp/