エコと商業施設の関係
皆さんご存知のSDGsですが、その中にこんな目標があります。目標12「つくる責任つかう責任」。この中のターゲット12−5で2030年までに、ごみが出ることを防いだり、減らしたり、リサイクル・リユースをして、ごみの発生する量を大きく減らす。という項目があります。この項目に合わせる形で消費者庁では地域の活性化や雇用なども含む、人や社会・環境に配慮した消費行動「倫理的消費(エシカル消費)」について議論を行いエシカル消費の普及と啓発の取り組みを実施。世の中の流れが国連から各国政府そして企業へと動き、消費のカタチが緩やかに変わろうとしています。
この流れを汲むと大量消費大量廃棄の時代が終わりを告げることになります。しかし、これまでの商業のあり方は大量消費をベースに組み立てられているので、このエシカル消費・つかう責任などのトレンドはその対極とは言えないかもしれませんが反対側に位置していることは間違いありません。しかしこのままSDGs的なアプローチが進んでいくと企業活動のあり方自体を問われることになります。実際にそうなってきているのかもしれません。今回ご紹介するのは株式会社ワンピースの「服の交換会」です。これまで2021年7⽉有楽町マルイでの開催を⽪切りに、関東・関西を中⼼に開催し、延べ2万7000人以上が参加しているイベント。1人あたり20点を上限にいらないものを持ち込むことができ、1点あたり1点の交換ができるという仕組みのイベント。
今回はこれを川西阪急で行うというもの。百貨店で行って、百貨店にメリットがあるのか?というところですが、今回は川西阪急のLINE@に登録している人は持ち込みなくても1点持ち帰りのみも可能で、店内にある洋服+1点もできるとのこと。これにより川西阪急は集客とLINE@の友達登録数を伸ばすことが可能になります。川西阪急側にとっては期間の集客の強化および中長期的なマーケティング施策として取り組むということになります。もちろん、エコでエシカルなイベントを行うというブランディングにつながっていくことになるのかもしれません。
こういった交換イベントはこれから日本全国で定期的に開催されていくことになるかと思います。期間中の館全体の売上とくに服飾雑貨および洋服の売上がどうなるのかというのが興味深いですが、しっかりと集客できるのであれば飲食店や食物販の売り上げは伸びるのではないでしょうか?課題としてはこういったイベントが人気になるということは人がものを買うという行為を抑えめに行うようになっていくということになります。では、店舗は商業施設は何を提供していくのか?エコとアパレルと商業施設の関係性には大きな命題がこれからものしかかります。以下、株式会社のプレスリリースから画像とイベント概要を引用。
イベント概要
開催期間:2023年2月15日(水)~ 2月21日(火)
場所:川西阪急 1F
時間:10時00分 ~ 19時00分(最終日は17時00分まで)