イオンモール大日が第1期リニューアル ファミリー志向と地域定着を軸に再構築
開業から19年目を迎えるイオンモール大日が、2025年3月28日に第1期リニューアルオープンを実施した。全体で約50店舗に及ぶ改装計画の第一弾として、今回は新規17店舗を含む計42店舗を刷新。さらに、施設面でも家族連れや地域住民がより快適に過ごせる空間づくりが推し進められた。
大阪府守口市に位置するイオンモール大日は、京阪沿線における中核モールとして近隣の門真市・寝屋川市からの集客も多い。近年、同エリアでは2023年に開業した「ららぽーと門真」や隣接する「三井アウトレットパーク大阪門真」が大きな話題を集めており、施設間競争は一層激しさを増している。こうしたなかでイオンモール大日は、競合が若年層や都市型トレンド志向に寄せる構成をとるのに対し、「ファミリー層」「地域密着」「日常使い」という軸で差別化を図っている点が注目される。
今回のリニューアルでは、シネマ棟を中心としたゾーン再編が目立つ。「イオンシネマ」は“レトロアメリカン”な演出で劇場空間を一新し、体験価値のあるシアターとして再構築。「ジョーシン」「未来屋書店」も大規模改装が行われた。未来屋書店には、関西最大級のmiHoYo売場が導入され、アニメ・ゲームグッズ市場の拡大にも呼応した店舗展開となっている。また、「GU」は従来のイオン棟3階からシネマ棟2階へと移転し、売場面積を拡大。ユニクロとの横並び配置により、ファッションゾーンの再設計もなされた。
ファミリー層向けの施設改修も今回のポイントだ。イオン棟3階には、無料のこどもあそび場「SHIBANIWA（しばにわ）」を新設。人工芝の広場に加え、AR体験が可能な230インチの大型デジタルサイネージ、保護者の目が届くスターバックス併設スペースなど、安全かつ滞在しやすい構成となっている。さらにベビーケアルーム「mamaro」も導入され、子育て世代の回遊性や安心感を高める設備強化が進んでいる。
テナント構成にもファミリー志向が色濃く表れている。「キッズリパブリック」は最新モデルに刷新され、0〜12歳までの年齢別売場を展開。単なる物販にとどまらず、玩具を試遊できる体験型コーナーやQRコードによる情報連携、オンライン購入の導線までを設計し、OMO型の売場づくりが導入された。「MONTOYS」や「ASBee KIDS」など、周辺に子ども関連専門店を配したゾーニングも戦略的である。
また、館内環境の快適性も向上。共用部床材の変更、ファニチャー改修、レストラン街の照明刷新、屋外テラスの整備など、ハード面のリニューアルも同時に進められている。さらに、タッチパネル式フロアガイドやインフォメーションサイネージの導入によって館内の視認性・利便性も向上した。駐車場にはナンバー認識によるチケットレスシステムを導入し、スムーズな来館導線を実現している。
守口市を中心とする同モールの商圏では、現在人口減少と高齢化が同時に進んでいる。平均年収は大阪府平均を下回り、地域住民の多くは生活密着型のショッピングを求めているのが実情だ。今回のリニューアルは、そうした民力背景を踏まえた戦略的アップデートとも言える。単なるトレンドの模倣ではなく、地域の日常と共にある施設へとシフトする姿勢が随所に表れている。
今後、同モールでは第2期・第3期リニューアルを順次予定しており、館全体での刷新が進められていく。施設単体の価値向上はもちろん、広域競合との共存を見据えた中長期戦略の一端として、今回の第1期リニューアルはその起点となる。以下、イオン株式会社のプレスリリースから画像と施設概要を引用。
【イオンモール大日 施設概要】
・ モール名称： イオンモール大日
・ 所 在 地： 〒５７０－００１６ 大阪府守口市大日東町１－１８
・ 電話： ０６－４２５２－３５０１（代表）
・ 責任者： イオンモール大日
ゼネラルマネージャー 川端 真也（かわばた しんや）
イオンスタイル大日 店長 浅野 正憲（あさの まさのり）
・ HPアドレス： https://www.aeon.jp/sc/dainichi
・ 専門店数： 約１６０店舗
・ 核店舗： イオンスタイル大日
・ 敷地面積： 約 ５３,０００㎡
・ 延床面積： 約 １５１,０００㎡
・ 総賃貸面積： 約 ５６,０００㎡
・ 駐車台数： 約 ２,４００台
・ 営業時間： 専門店 １０：００～２１：００
レストラン街 １１：００～２２：００
イオンスタイル大日 １Ｆ食料品売り場 ７：００～２３：００
イオンスタイル大日 １Ｆ食料品売り場以外 ９：００～２３：００
※営業時間が一部異なる店舗がございます。
・ 休業日： 年中無休
