アール・ブリュットの軌跡と影響: パリからローザンヌ、そして日本へ
アール・ブリュットという言葉をご存知でしょうか?”Art Brut”という用語はフランス語の「アール・ブリュット」から派生したもので、”Art”は芸術を、”raw”は「生の」または「自然の」を指します。この言葉は、精神障害者や社会的に孤立した者たちが生み出す芸術表現を定義しています。
この概念は元々フランス語ですが、英語圏、例えばアメリカでは「アウトサイダー・アート」という名で呼ばれています。さらに、「エイブル・アート」や「ボーダレス・アート」のような表現も使われ、枠組みを超える可能性を秘めた芸術を示しています。
この流れは20世紀のフランスの画家ジャン・デュビュッフェが基盤を築いたと考えられています。デュビュッフェは精神障害者や社会的に孤立した者たちの芸術的表現に深い関心を抱いていました。1945年には、彼はスイスとフランスの精神病院や刑務所を訪れ、そこで作られたアート作品を集め始めました。これが後に「アール・ブリュット」と名付けられる芸術運動の起源となったと考えられています。
1948年にデュビュッフェと他の志士たちはアール・ブリュット協会を設立し、その彼が集めたコレクションは、後の1967年にパリの装飾芸術美術館で展示されることとなりました。その後、このコレクションはスイスのローザンヌ市に寄贈され、1976年にはアール・ブリュットの作品を展示する専門の美術館が設立されました。それ以降、アール・ブリュットの概念は世界中に広がり、アートシーンの一部として確立されることとなりました。今日では、アール・ブリュットのアーティストは世界中に存在し、多くのユニークなアウトサイダー・アーティストが発見されています。
一方、日本では1950年代に山下清に対する一般の関心が高まりましたが、彼が大衆的な人気を得た後、美術界は長らくアウトサイダー・アートに対して黙り込んでいました。しかし1990年代以降、「アウトサイダー・アート」「アール・ブリュット」の用語が日本に定着し、エイブル・アート運動が始まったことで広く認知されるようになりました。今日では、芸術と福祉の専門家たちはアウトサイダー・アートの研究、発見、普及に積極的に取り組んでいます。
株式会社⼤賀薬局は、8月1日(火)馬出九大病院前駅(福岡市地下鉄箱崎線)構内に、調剤薬局「大賀薬局 地下鉄馬出九大病院駅前店」を開業し、処方せん受付を開始。「駅を明るくしたい!通院されている方や通行されている方に元気を届けたい!」との想いから、壁面には、障害福祉サービス事業所『工房まる』(福岡市南区)のアートを起用。調査によると調剤薬局を利用する判断基準のひとつとして、入りやすい雰囲気やデザインがあげられているため、気軽に入っていただけるようなデザインを重視して制作。
壁面アートのタイトルはみんなで、元気にいこう!として、工房まる所属の松永 大樹氏や太田 宏介氏そして山田 恵子氏が今回の壁画制作に携わったとのこと。とても入りやすいフレンドリーなデザインは店舗外装に新たな地平線を描いたのではないでしょうか?以下、株式会社 M Market Agencyのプレスリリースから画像と店舗概要を引用。
◆店舗概要
大賀薬局地下鉄馬出九大病院前店
開局時間
平日9:00~18:00 土・日曜・祝日 休み
Tel 092-641-0505 Fax 0120-181-404