アベイル、大森駅前に都市型小型フォーマットを導入 キャラクター売場とデジタル訴求で編集力を強化
しまむらグループのヤングカジュアル業態「アベイル」が、大森駅前に新フォーマットによる小型店舗を開設する。今回の出店は都市部での店舗網拡大を見据えた新たな取り組みであり、従来約1,000㎡を標準とする売場に対して、約590㎡というコンパクトな構成で構築した点が大きな特徴である。都市型立地に合わせて面積を最適化しつつ、標準店と同等の商品ラインナップを維持した店舗設計は、都市商業地での運営モデルとして注目される。
大森駅周辺は居住・オフィス双方の需要が集まるエリアで、日常領域のアパレルニーズが安定して存在している。駅前ビル上層階という立地は、視認性・回遊性の確保が課題になる一方、目的性の高い来訪を促すための売場編集や情報発信が効果を発揮しやすい。今回アベイルが導入した新型デジタルサイネージは、その課題解決にも寄与する要素であり、ブランドやシーズン企画の訴求を視覚的に強化することで、小型店舗でも統一感ある世界観を打ち出せる点がメリットとなる。
また、アベイルの強みであるキャラクター商品に特化した売場を新たに設けた点も特徴的だ。若年層を中心に支持が厚いカテゴリーであり、都市部では購買頻度が高く回転の良い商品領域でもある。小型店舗であってもキャラクター売場を前面に配置することで、来店動機の明確化と店舗の個性付けを同時に行う構成となっている。アベイルにとってキャラクター商品は従来から人気が高く、これを独立した売場として強調する手法は、都市型の編集型店舗としての方向性を示すものといえる。
アパレル市場全体では、都市部での大型物件確保が難しくなるなか、面積最適化やデジタル演出を組み合わせた店舗開発が広がっている。アベイルが今回の大森駅前で採用した小型フォーマットは、こうした市場環境に対応したモデルの一つであり、今後の都市部出店の基盤づくりとして位置付けられる可能性が高い。駅前という高いアクセス性と、ターゲットが集中しやすい商圏特性を背景に、ブランドの世界観をコンパクトにまとめながら訴求力を高める取り組みは、しまむらグループの都市戦略を象徴する試みとなる。
今回の出店により、アベイルは郊外中心の構成から都市部への広がりを加速させる局面を迎える。小型化と編集力強化を軸に、都市商業地に適応したモデルとしてどのように実績を積み上げていくか、今後の展開が注目される。以下、同社のプレスリリースから画像と店舗概要を引用。
住所 :東京都 大田区山王2-4-1(大森駅前ビル4F)
営業時間:10:00~20:00
TEL :03-5709-7750





