てならい堂が引き継ぐ民藝の魅力:民藝運動から現代の実践へ
今から20年位前に衝撃を受けた雑貨があります。それは日本の民藝。日本各地の生活に即した機能美に驚いたことがあります。この民藝ですが、発祥は、20世紀初頭に遡ります。その源流は、柳宗悦、浜田庄司、河井寛次郎などの人々が中心となり、「民藝運動」として始まりました。「民藝」という言葉は「民衆的工藝」の略で、思想家の柳宗悦によって作られた造語。彼らは、大量生産大量消費社会の中で失われつつあった伝統的な工芸品、つまり「民藝」の価値を再評価し、その普及と保存に努めました。
彼らの活動は、工芸品が生活に密接に結びついている日本の文化を認識し、それらが自然と人間の営みから生まれたという考え方を強調しています。また、彼らは機能性と美的価値を兼ね備えた工芸品を評価し、それらが日本の文化的アイデンティティの一部であると考えていました。
民藝運動は全国に広がり、日本の伝統工芸品の再評価と保全に大いに貢献しました。現在も様々な地域で、民藝品の製作や展示、ワークショップなどが行われており、新たな世代にその価値が伝えられています。
この運動は、日本国内だけでなく海外でも注目され、日本の美的感覚や生活文化の理解に寄与してきました。これにより、日本の伝統的な工芸品やデザインが世界的に評価され、その影響は現代のアートやデザインにも見られます。
柳宗悦らは「民藝品」を次のように定義しました。、実用を目的とし、無名の職人により作られる。その製作は一般の民衆の需要に応えて大量に行われ、販売価格も一般民衆が日常生活で利用できる範囲内である。商品は地域の風土や文化を反映し、色、形、模様などに地方性が表れている。製作は熟練者による分業・共同作業を通じて行われ、古代から受け継がれた伝統的な技術や知識が用いられる。そして、これらの作品は個々の技術者の能力以上に、地域の気候、風土、伝統などの外部の力によって形成されている。
この民藝が購入できる場所は日本各地にありますが有名な店舗といえば世田谷の日本民藝館のミュージアムショップ、銀座のたくみなどがあります。それらの店舗ではセレクトされた民藝品を購入することができます。民藝も今や昔の話になりつつあり、地域の風土、伝統などが廃れ始めています。そんな中、合同会社 続(つづく)の運営するにっぽん てならい堂が東京神楽坂に「手に入れ方を変える」をコンセプトにした新店舗『tenaraido kagurazaka (s)store』(てならい堂 神楽坂ストア)をオープンした。全国の職人を招き、ワークショップを開催。自分で道具を作る体験や修理、メンテナンスの教室、職人の実演会などが行うとのこと。また、修理サービスや商品の試用レンタルも提供。店舗は週末のみ定期的に開いていて、平日は不定期オープンとのことです。
柳宗悦が唱えた民藝を現代社会に即した形で語り、実際に手に触れて繋いでいく貴重な店舗となる。商業施設とは一線を画するあきないの形ではあるが日本の雑貨マーチャンダイジングの基礎となるのは間違いなく民藝。このような店舗が根強く多くの人から愛される店舗でい続けてほしいと思う。
以下、合同会社 続のプレスリリースから画像と店舗概要を引用。
【店舗概要】
所在地 :東京都新宿区矢来町118 千種ビル2F
最寄駅 :東京メトロ東西線神楽坂駅 徒歩1分
営業時間:土曜・日曜 11時~18時(予定)
平日は不定期オープン
開店日 :2023年7月上旬予定