「SORACHI 1984」体験拠点が新千歳空港に登場──空の玄関口で味わう“北海道発”ホップの物語
北海道の空の玄関口・新千歳空港に、クラフトビールファン注目の新たな拠点が誕生する。サッポロビールとジェイアール東日本企画が手掛けるブランド体験型店舗「BEER STAND SORACHI」が、2025年8月28日より同空港内で営業を開始する。この店舗は、伝説のホップ「ソラチエース」だけを使用したビール「SORACHI 1984」の世界観を体感できる拠点であり、2023年にJR札幌駅構内に開業した1号店に続く2店舗目となる。
「SORACHI 1984」は、サッポロビールが1984年に北海道・上富良野で開発したホップ「ソラチエース」を100%使用したビールで、ヒノキやレモングラスのような香りを特徴とする。その個性的なアロマとストーリー性から、国内外のクラフトブルワーにも高く評価されており、ブランド単体での認知向上を目指した体験型業態として「BEER STAND SORACHI」が構想された。JR札幌駅店では累計8.5万人超の来訪実績を記録しており、今回の空港店はその成功事例を踏まえた出店となる。
新千歳空港の出発ロビーに位置する店舗は、スタンディング8席のみという小規模ながらも、ブランド価値とUXを最大化する設計となっている。特に注目されるのは、環境配慮型の「新千歳空港限定デザイン・アルミカップ」での提供である。このカップは飲用後に持ち帰り可能で、旅の記念品や北海道土産としての訴求力も兼ね備えている。札幌駅店同様に、SORACHIのブランドストーリーに共感する来訪者の購買動機を刺激する設計といえる。
本件の出店意図には、単に飲食を提供するだけでなく、「北海道からの旅立ち」あるいは「北海道への到着」といった移動の境目に、“ひとときの余韻”や“高揚感へのスパイス”を提供するという機能が込められている。空港という場の特性上、短時間の滞在で記憶に残るブランド体験を設計することは、商業施設における新たな滞在価値創出のモデルにもなりうる。
さらにこの空港店は、店舗限定グラスやフードメニュー(今後提供予定)を通じて、JR札幌駅店との差別化を図っており、都市中心と空港という北海道の両ターミナルに拠点を展開することで、SORACHIブランドの接点を面的に拡張する戦略が読み取れる。
新千歳空港内には「ロイズ」や「カルビー」、地域限定菓子やキャラクターショップなど、多数の物販・体験型店舗が集積しているが、単一ブランドのクラフトビール専門店が常設されるのは異例である。インバウンド需要の回復が進む中、旅と土地とストーリーをつなぐこの業態は、空港商業のあり方に一石を投じる存在ともなりそうだ。
ホップ文化の発信、地域資源の再編集、そして旅という非日常との接続。それらを一杯のビールに凝縮し、「飲む体験」を商業施設内でいかに魅せるか。BEER STAND SORACHIの挑戦は、今後の空港内テナントのUX設計においても注目すべき実験となるだろう。サッポロ・ホールディングスのプレスリリースから画像と店舗概要を引用。
■店舗概要
1.店舗名
BEER STAND SORACHI New Chitose Airport
(ビアスタンドソラチ ニューチトセエアポート)
2.場所
北海道千歳市美々
新千歳空港 国内線旅客ターミナルビル 2階(保安検査通過前)
3.期間
2025年8月28日(木)~※常設店
4.営業時間
10:00~20:00 (ラストオーダー19:45)
※営業時間は変更になる場合があります。